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　対峙する勇者と魔王のエピソード。

　たとえ相手が魔族だろうと、心の内に沈む本当の願いや希望を呼び覚ますのが勇者の役目だと、アリスは手を差し伸べる。

＞「俺は勇者だ。絶望を希望に変え、恐怖を歓喜に塗り替え、闇に蹲る人々に勇気を授け、指し示す希望の光。……勇者様は寛容だからな。例え敵対する魔王であっても等しく光を分け与えるんだよ」

　これぞ勇者の定義――と言ったら妙な言い方かもしれないが。

　土壇場でこういう魂を震わせる台詞が言えることが、勇者の大切な資質なのかもしれないと思ったりした。

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