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　金で手に入らないもの、自分が望むものを持っている相手、それに対する歪んだ感情と思考が表現されているエピソード。

　人は誰かを憎むのに、相手の行動を必要としないことがある。

　憎しみを自家発電していくのだ。

　だからこそ、自分では止められない。

＞それは金を積めば積むだけ、すべててを手に入れられるという希望を残しておきたかったから。

　つまり金で買えない物はないということに気づいていたわけではなく、金を無制限にだせば手に入れられない物はないという心のゆとりだ。

　永遠に使わない切り札を持つことで人は安心できる。

　なるほど、と思った。

　永遠に使わない切り札を持つことで人は安心できる――それを虐めていた張本人の心理に当てはめたのは良いと思った。

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