04. sigh
環は感情に対して仕えていた。
環の体も、声も、教養も、デバイスも、今はただ感情のためにあった。
そして少しずつ対象を見つけて捉えていくかのように、環のステップとダンスはかえってシンプルになり、引き絞るかのようにゆっくりとしたものになっていくのだった。
「抱きとめた欲望はflowing 時代はblowing
こめかみと指先でshowing
タレント
介す
Pumaのジャケット
シルバーライニング
わけなく悲しい
この感情
たどり着くのは
そこにある昭和
通り過ぎる ギター弾き
すれ違う カラスが二匹
刻むブルース 浅いため息
運命のかけ引き
ピースと 芸術を
2038.03.10.
From TAMAKI.
Thank yo’all.」
言葉を止めた環は、しばらくうつむき加減に拳を口に当て、息を整えた。
自分自身が今しがた作り上げた言葉とステップとダンスの出来栄えに、満足をおぼえて、軽く興奮していた。
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