レベル238 『モンスターカード!』で、ゲットしてみたら荒野な感じになりました。
オレはティニー向かってクリスタルカードを掲げる。
クリスタルカードで見たティニーは、ティニーそのままの姿だった。
これならば今のままでゲット出来るはずだ。
ゲットできるとしたら、の話だが。
クリスタルカードは透明感のあるカード。
ゲットできるモンスターは勿論の事、普通の景色だって見える。
それは即ち、ゲットできない奴はそのままの姿で見える訳だ。
頼むクリスタルカード、ティニーをオレの元へ導いてくれ!
祈るような気持ちでクリスタルカードから照らされるティニーを見つめる。
しかし、その姿はそこにあるままで、何も変化は起こらない。
徐々に弱くなっていくカードから差し出す光。
駄目なのか!?
いやっ、まだだ!
『ダブル・モンスターカード!』
まだ手はある!
そう、ダンディをゲットした時の様に二枚重ねだ!
光が消えかけたクリスタルカードにノーマルのモンスターカードを重ねる。
薄れていた光がその力を取り戻す。
するとだ! 徐々にティニーの体が透き通っていくではないか!
「ティニー……頑張って」
「……お願い、モンスターカード」
サヤラとアポロが両手を合わせてカードに祈りを捧げる。
「ティニー、覚悟を決めろ! さあ、来い、オレの元へ!」
ティニーがしっかりと頷く。
その瞬間! 姿が掻き消え、まばゆい光がカードに集りだす。
まるで天から届くかのように上空から集る光。
最後に、地平の果てに向かって大きなサークルとなり光が破裂する。
後に残ったのは、一丁の銃が描かれた、一枚のカード。
『聖銃・ティニー』
☆11・レベル1
スキル:モデルチェンジ(3)、リロード
備考:アンデッド特効、人型特効
☆11という下級職では最高レベルのレアリティ!
さらに、アンデッドと人型モンスターに特効がついている。
だが、
「銃になってしまった、か」
予想できた結果だ。
ティニーはガンナー、そこから連想されるものは銃。
これじゃあもう、さっきまでのティニーとは呼べない。
まるで……形見じゃねえか。
ティニーはゾンビ化寸前、ラピスに解放してもらう訳にもいかない。
レベルを20にして、クリスタルカードでクラスチェンジに掛けるしかないか……
いや、カシュアのように自我が残っているかもしれない。
オレはそんな期待を込めてティニーを呼び出してみる。
オレの手にしっくりくる、リボルバー型の拳銃。
まるで西部劇で見た、荒野のガンナーが持っていたかのような古臭い銃。
ティニーにピッタリだな。
『それどういう意味っすか!』
頭の中にティニーの声が響く。
その瞬間だった!
突如、輝きだす聖銃・ティニー!
それは光となりゆっくりと人型を取る。
その光がはじけた瞬間、そこにはティニーがオレの手をとって立っているのだった!
おめえ、人型になれたのか!?
擬態も、人化もなかったのに。
いや持てよ、このパターン、もしかして!
オレはティニーのカードを急いで見やる。
『レディガンナー・ティニー』
☆4・レベル1
スキル:必中、弾丸練成
カードの名前と絵柄が変わっている!
なるほど、クリスタルカードとノーマルカードを重ね合わせてゲットすれば、いつでもクラスチェンジできるようになる訳か。
うん、これは絶対、ラピスには秘密にしとかないとな。
「ティニー、ティニーなの……良かったティニー!」
サヤラがティニーに抱きつく。
アポロもティニーに近寄って来る。
だがその顔は、どこか憤慨しているかのようにも見える。
ある一点をみすえるアポロ、おもむろにそれを鷲掴む。
「おい、これはどういう事だ!?」
「イダッ、痛いッスよアポロ!」
「お前だけは……私の仲間だと思っていたのに!」
そう人型になったティニーさん、なぜか成長してござる。
主に胸が。
少女だったあどけなさは今や昔、すっかり立派なレディになって候。
身長も少し伸び、どこか色気を帯びているようにも見える。そしてなにより、胸がデカイ。
確かに最近、少しは出てきているなあとは思っていたんですよ。
そうか、ティニーは大人になると爆発する系だったのか。
服装もまたエロい。
荒野な女ガンナーさんらしく、大きく開いた胸元に、ミニスカ、ヘソ出し、お約束のウエスタンハット。
そんなエロい女性に食ってかかる少女が一人。
「お前だけ成長しているなんてずるいぞ!」
「いや、アポロも成長しているんじゃないっすか?」
「そういえば、ほんの少し胸が出て、ギターちゃんに指摘されていたよね?」
ガックリと膝を付いて地面にうな垂れるアポロ。
「そ、そんな……これが私の成長した姿。なんにも変わっとらんじゃないかぁあああ!」
どうどう、落ち着いてアポロさん。
「それよりも、大丈夫なのかね、キミ」
「なにがだ?」
「いや、リミットブレイクの後遺症……」
「イダダダダ……」
オレは地面をのた打ち回る。
まるで今まで溜め込んでいたかのように、かつてない激痛が全身を襲う。
くっそお前、ほんと、ろくな事しないな!
「ええっ、ボクの所為なのぉ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます