レベル138 『モンスターカード!』で、ゲットして…

「えっ、ライブツアーですか?」

「そうなのよ、この時期はね、三カ国ほどお祭りが続くのよ」


 なので、教会主宰でライブを行なわないかとユーオリ様から打診があった。

 なお、こないだ手に入れたスカウターだが、ラピスに取りあげられてしまった。


 えっ、そんな凄いものゲットしたんですか! 凄いじゃないですか!

 なんて言うんで、ちょっと目の前で使ってみせた。

 うむ、そうだな、今日は白か。

 なにがって? え、下着の色。アベシッ!


 そんな、くだらない事に使うのならコレは私が預かっておきます。だってさ。


「でもライブとか、教会の雰囲気に合わないんじゃないですか?」

「大丈夫、大丈夫! だってお祭りじゃない! 無礼講よね!?」


 ほんとに大丈夫ですか?

 護衛の騎士様が首を振っていらっしゃいますよ?


「いいのいいの! 毎回つまらない説法なんてお祭りには似合わないのよ。そんなんだから信者も減る一方」


 やっぱりお祭りは楽しくなくちゃね。と手をポンと打つ。

 と、いうことで、お祭りのある国へ向かったのだが、


「今回はカユサルも参加出来るのか?」

「はい! その為にスケジュールを組んで来ました」


 そこでは、カユサルがオレ達を待っていた。

 なんでも態々、お祭りにあわせて、前後にスケジュールを詰め込んだと。

 祭りの期間中はオレ達と共に演奏を行うそうな。


「ほうほう、で、腕に抱いている赤子はどうした? 誰かに子守を押し付けられたのか?」

「俺とセレナーデの子です」


 は? ワンモアプリーズ?


「俺とセレナーデの子です。今日はこの子を師匠に紹介しようとやってきた所です」


 は!?


 えっ! 20レベルになったら子供が出来た?

 ハッハッハ、お前、何訳の分からんこと言っているんだ………………えっ、マジで!?

 おまっ! ちょっとカード見せてみろ!


『グランドピアノ・セレナーデ』

 ☆9・レベル20

 スキル:擬態+、英雄の旋律

 備考:一子出産


 おいっ! このちっちゃなカードはなんだ!?

 カユサルが、グランドピアノさんのカードの他に、今までの半分ぐらいのサイズのカードを差し出してくる。


『セレナーデとカユサルの子』

 ☆1・レベル1


 えっ!? 出来ちゃったの!? えっ、ほんとマジで!?

 致したあと、レベルが上がると子供が出来るのか…………いやいやいや! ええっ!?


「これは……とんだ新情報ですね」


 ちょっとお坊ちゃま、私と試して見ませんか? と言ってくる。

 なにヲだよ? いや、言わなくていい。

 パンデミックは起こしたくは無い。


「超繁殖は消えていますよ?」

「聖母ってさらに怖いんだが」


 それ超繁殖の上位スキルだろ?

 あきらかに地雷っぽいんだよ。

 新種族誕生とか言って、国が出来るくらい生まれてきそうで怖い。


「なんだったらボクで試してくれてもいいんだよ! ヒデブッ!」

「……冗談だよな? じゃないと殴るぞ」

「もう殴っているじゃないか! 別にキミとなら……いいのよ、うふっ」


 ウザッ!

 冗談も大概にしろっ!

 オレは、顔を近づけてくるカシュアにアイアンクローをかましながらカユサルに問い掛ける。


「その子、このカードから生まれたのか?」

「はい、名前はソーサーと付けました」


 つ~ことは、その姿のまま成長しないということか?

 いや、レベルが上がれば姿が変わる可能性もあるか。

 どうやってレベル上げするんだ?


「いえ、それがセレナーデと違って、この子は成長するようです」


 生まれたばかりは今よりもっと小さくて、目も開いてなかったそうだ。

 カードの絵と共に赤子も成長している模様。

 カード自体の大きさも、こころなし大きくなっているそうだ。


「カード自体がまだまだ子供だという訳か……普通サイズになると成長が止まるのかな?」

「そればかりは、そうなってみないと分かりませんね」


 ちなみのそのカード、オレでも操作できるのだろうか?

 えっ、試して見てもらいたい? いいのか?

 オレはカユサルから子供のカードを貰い受ける。


『戻れ! ソーサー!』


 赤子は服だけを残して消える。

 召喚も試して見る。無事に子供が現れた。


「おっ、なんかカードの名前が変わったな」


 カードのモンスター名が『セレナーデとカユサルの子』から『ソーサー』とこの子の名前に変わっている。

 そういや、重要人物とかが、カードになって出てきたりというのもお約束だよな。

 この子がいずれ、モンスターカードのチュートリアルでもするようになるのだろうか?


「師匠……ありがとうございます!」


 なにやら、そのカードを見て感動しているカユサルとセレナーデさん。

 そんなにカード名が名前に変わったのが嬉しいのだろうか?

 えっ、オレに認められた?

 いや、認めるも何も、出来ちゃったものは仕方ないだろ?


「カユサル、そのカードはお前の物だ。大切にして上げて欲しい」

「勿論です!」


 しかし男の子か……いずれこの子がパセアラの婚約者になるのだろうか?

 えっ、そんな事にはならない?


「俺は別に、婚約者など押し付けるつもりはありません。たとえ誰であろうとも、この子が好きになってくれた相手と結ばれて欲しいと思っています」


 そう言って、セレナーデと顔を見合わせて幸せそうな顔をする。

 でもそれだと、国王様怒らない?


「王位はそのうち姉貴が継ぎます。そうなれば、そんな事すっかり忘れていますよ」


 確かに。

 ちなみにその姫様、最近静かなんだかどうしているの?

 えっ、サンムーンの再建に忙しい?

 なるほど、頑張っていらっしゃるようですね。


「じゃあ暫くは大丈夫そうだな」

「……あの姉貴が、おとなしく街の再建をしているとも思えないのですがね」


 おいっ、不吉な事言うなよ!

 変なフラグ立てんじゃない、だんだん嫌な予感がしてきただろ?



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ないのに増えちゃいました☆

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