第九章 思い出1-6
「ああ、お疲れ様」
「ありがとうございます。温さんのとこ、女性の新人さんが入ったんっすね。正直言って羨ましいっす。うちは男ばっかなので。……か、可愛らしい子でしたね」
そんなことを、遠くの山の尾根を見つめながら極めて真面目な無表情で言うので、和泉は反応に困った。
「……いや、まあ。顔で選んでいるわけではないけどな」
不自然な間が空く。
「あの、ご迷惑でなかったら今度、皆さんでうちに遊びに来ませんか」
そう言えば亜美が、マリカも連れて山梨のお化け屋敷でシェアハウスして働く彼らに会いたいと言っていた。
「是非、またお邪魔させてもらう」。和泉が言いかけたときだった。
マリカに右腕を引かれた気がした。
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