ローンで返却

ヒロシ「借りた金の返済日が今日だ! ひぃー! 少ししかお金を用意できなかったよう! 全額返済は不可能だ!」



マルぼん「『ローンモカコーヒー』。このコーヒーを飲めば、なにかを返す際、ローンでの返却が可能になる。反対に、自分が貸したものがローンで返ってきたりもする。このコーヒーを飲んで、とりあえず今用意できたお金だけを返しにいくといい。残りは後日でもいいことになるはずだから」



ヒロシ「ごくごく。これでオッケーだ!」



未亡人「もしー」



ヒロシ「あ、お隣の未亡人!」



未亡人「実は重いものを運ぶことになりまして、とても私1人で運べそうにないのです。もしよかったら、手を貸していただけませんか」



ヒロシ「よよよよろこんで! さぁ、行きましょう、未亡人!」



未亡人「はい」



 30分後。隣の家から悲鳴が聞こえてきました。そしてヒロシは帰宅しませんでした。



 大沼宅の庭に、ヒロシの体の一部と思われるものが投げ込まれているのが発見されたのは数日後のことでした。さらに数日後、同じ人間のものと思われる体の一部が投げ込まれているのが発見。その数日後も同じように。さらに数日後も。結局、ヒロシが完全に戻ってくるのには数年かかりました。実はシリアルキラーだったという未亡人が逮捕されるのにも、同じくらいかかりました。マルぼんはなんでもローン返済可能にしてしまう『ローンモカコーヒー』の効果は絶大だと思いました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る