ヒロシのパラレルトータルリコール
ヒロシ「はうあ!」
マルぼん「どうした、ヒロシ」
ヒロシ「3年間位昼食を絶ってお金を貯めて、新しいパソコンを買ったのだけれど、そのパソコンの新型の発売が決定したの!」
マルぼん「それはご愁傷様」
ヒロシ「なんでもかんでも新型機が手に入るようになる機密道具をだしてえ!」
マルぼん「『リコールボタン』。このボタンを押せば、じぶんの所持品が同型の新しいものに交換してもらえる」
ヒロシ「おし! さっそく押してやるぜい!」
『リコールボタン』を押した瞬間、ヒロシの買ったパソコンが爆発しました。パソコンは、不具合があったとしてメーカーに引き取られ、新しいものを無料でいただけることになったのです。
ヒロシ「新しいパソコンだ、うふふ。パソコン。うふふふ」
爆発に巻き込まれたヒロシは、包帯姿が痛々しいものの、新しいパソコンにご満悦。
ヒロシ「この『リコールボタン』で、全ての持ち物を新しいものに交換してやるぞっと!」
パパさん「ヒロシくん」
ヒロシ「…なんですか、立花さん」
パパさんこと、ママさんの新しい交際相手の立花さん。彼のことを、ヒロシは「父」とは呼べないのでした。
パパさん「まだ、私のことを父と呼んでくれないのかい?」
ヒロシ「……」
パパさん「答えたくないならそれでいい。それよりも、紹介したい人がいるんだ」
外国人女性「コンニチハ」
パパさん「新しい母さんだ」
ヒロシ「ええ!?」
マルぼん「旧型のママさんは!」
パパさん「『私はお姫様になるの。あなただけのお姫様ではなく、地球上の全ての命のお姫様に』と、昨日の夜に旅立っていったよ。そして、傷心の私をなぐさめてくれたのが彼女だ。やさしさが愛になり、こういうことになったんだ」
マルぼん「恋におちるスピードは、ギャルゲーのヒロイン以上だね」
新ママさん「ソンナニホメルナ。ソレヨリモ、ヒロシ」
ヒロシ「な、なんですか」
新ママさん「キズダラケジャナイカ。ワタシノクニノヤクソウヲクエ」
ヒロシ「もがもがもがー!」
口に大量の薬草を詰め込まれて果てるヒロシ。後、パパさんとママさんは「治療のつもりだった。こうなるとは思っていなかった」と警察の取り調べに答えています。マルぼんは、ママさんの新型まで用意してくれた『リコールボタン』の効果は絶大だと思いました。
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