マルぼんとヒロシの素敵節分

ヒロシ「マルぼん、こちら、僕の友人の徳山さん。小さなお菓子会社を経営しているんだ」



徳山「はじめまして」



マルぼん「こちらこそどうもです」



ヒロシ「徳山さん、マルぼんに相談したいことがあるんだって」



徳山「この豆を見てください。これは、うちが節分に向けて発売した『鬼逝かせ』という豆なんですが、さっぱり売れないのです。そこで、有名メーカーのように鬼のお面をオマケにつけることになったのですが」



ヒロシ「いい感じのデザインが浮かばないんだってさ」



マルぼん「なるほどなー。ようがす。素晴らしいデザインをできる機密道具をだしてあげましょう。お代は5万円でけっこうです」



徳山「金を取るのか!?」



マルぼん「当たり前でしょう。こちとら、子供の遊びじゃねえんだよ! それともあなたの商売は、子供の遊びなんですか?」



徳山「なんだと!」



マルぼん「やるか、てめえ!」



徳山「やらいでか!」



ヒロシ「ちょっと、2人ともお止めなさいな」



マルぼん「この!」



徳山「ぬほっ」



マルぼん「えいっ!」



徳山「ぎゃー!」



ヒロシ「ああ、徳山さんが逝ったー!」



マルぼん「こ、殺すつもりは……ひぃぃぃ」



ヒロシ「あ、マルぼん、自首しろ、おい、マルぼーん!」



 結局マルぼんはそのまま逃亡。徳山さんの会社では、自社の製品のパッケージに、マルぼんの手配写真を載せるなど、警察に全面協力。当然、『鬼逝かせ』にもマルぼんの手配写真が。そんな『鬼逝かせ』を見た人が。



男「おい、見ろよ、パッケージに乗っている手配写真」



女「殺人犯だって。この豆を作っている会社の社長を殺したんだって。まさに鬼ねー」



 僕は『鬼逝かせ』に素敵な鬼の顔をつけてしまった……ええっと、なんだっけ、とりあえずその機密道具の効果は絶大だと思いました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る