ヒロシのごうかく大作戦
デモシカ(担任教師)「今日は50メートル走のタイムを測るぞ。規定のタイムより遅かった者は不合格。不合格者は、外国の施設に5年くらい社会見学へ行ってもらいます!」
ヒロシ「ひょえー! 過酷ー!!」
デモシカ「あ、ナウマン象は規定のタイムより遅いみたいだな。業者さんお願いします」
業者さん「こちらへ」
ナウマン象「いやだ、いやだー! たすけて、かあちゃーん!! とうちゃーん!! 家の手伝いをするから、宿題もするから、もう喧嘩もいたずらもしねえからよう、たすけてくれよー!! とうちゃーん!! いやだー!! 怖いよーとうちゃーん!! かあちゃーん!! かあちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
トラックの荷台に載せられるナウマン象。しばらくは叫び声が聞こえましたが、やがてそれも止まりました。
ヒロシ「こいつはとんでもないことになってきたぞ。僕は走りに自信がない!」
デモシカ「はい、つぎ大沼。あ、待って、電話だ。はい、もしもし。え、はい。そうなんですか。それはご愁傷様で。おい、大沼。おまえの母ちゃん、意識不明だって。すぐ帰れ」
ヒロシ「マジっすか! いやっほうー! 帰ります」
デモシカ「タイムは明日、測るからな」
ヒロシ「……」
胸にもやもやしたものを抱きつつも、ヒロシは帰宅しました。
マルぼん「ああ、よかった。無事に帰宅できたね。実はさっきの電話、マルぼんなんだ。キミが海外に社会見学させられそうになっていたのを見て、急いでクスリでママさんを意識不明にして病院へ運び、電話したんだ」
ヒロシ「ありがとう。助かったよ」
マルぼん「でも、結局明日、タイムを測るんだね。なんとかして、合格のタイムをはじき出さないと、キミは海外行きだ。よし、こいつを使おうか。『必勝はちまき』。こいつを頭にまくとだな、どんな試験にでも絶対に合格できる。こいつをまくんだ」
ヒロシ「よし、これで明日は楽勝かもしれないね」
さっそく『必勝はちまき』を頭にまくヒロシ。と、その時。頭に山羊の被り物をした一団が突然、現れました。
ヒロシ「なにをする、離せ! 離さぬか!」
ヒロシ担ぎ上げ、持参していたとても大きな布袋に押し込める山羊集団。
山羊「年齢……性別……身長に体重に声質……家庭環境……すべてが、すべてが大司祭様が示された条件を満たしている。合格だ。よろこべ少年、貴様は我が偉大なるツンデレ大萌神さま復活の生贄に選ばれたのだ」
ヒロシ「そんな神の生贄はいやー!」
そのまま、山羊たちとヒロシは去っていきました。マルぼんは『必勝はちまき』の効果は絶大だと思いました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます