不審者はマルぼんにまかせよ!

不審者「さぁ、おじさんと一緒に、不幸も悲しみもない幸せの国へ旅立とう!」



ルナちゃん「幸せの国…ステキ!!」



マルぼん「ルナちゃん、色々な意味であぶなーい!!」



 マルぼんの44マグナムが火を吹き、不審者は倒れた!



不審者「おぶっ」



ルナちゃん「ああ!? 幸せの国の使者さま!!」



マルぼん「ルナちゃん、こいつは幸せの国の使者さまじゃなくて、近所でも話題の不審者(ベレー帽を被って画家を装い、スポーツカーに乗り、ターゲットを釣る)だよ! 付いて行ったらヤバイじゃすまないよ!? 半日くらい、車であちこちを連れまわされるよ!?」



ルナちゃん「いいえ、この方は、足を撃たれてのたうちまわっているこの方は、幸せの国の使者さまよ。実は幸せの国のプリンセスである私を迎えに来てくれたの」



マルぼん「現実を直視しなよ。幸せの国の使者は、この男みたいに下半身を露出させていないよ」



ルナちゃん「現実つまんねえ。現実つまんねえ。つまんねえ現実を見るくらいなら、私は一生、妄想の中を生きるの」




マルぼん「このヒロイン、もうダメだ!」



 ダメなまま放置するのもどうかと思ったので、マルぼんは機密道具『性格変更CD』を使用することにしました。



 まず、『性格変更CD』のラベルに、対象者をどんな性格にしたいか記入します。たとえば、対象者を泣き虫にした時は、ラベルに『泣き虫』と書きます。



 その『泣き虫』と書いたCDをラジカセに入れて、性格を変えたい相手が寝ている時に、枕元に置き、八時間聞かせ続けます。



 睡眠学習の要領で、聞かせられた人は目が覚めたら泣き虫な性格になっています。



 マルぼんはたまたま(本当に)持っていたスタンガンでルナちゃんを(やや暴力的に)眠らせ、近所の廃屋に連れ込み、ルナちゃんの母親の携帯に『ルナちゃんは無事です』とルナちゃんを装ってメールを送り、『現実的』と書いたCDを八時間聞かせ続けました。



 そしてルナちゃんは目を覚ましました。



マルぼん「気分はどうだい?」



ルナちゃん「きえー!!」



 ルナちゃんは、『防犯のため』と称して日ごろから胸元に隠している硫酸入りの瓶を取り出すと、マルぼんにかけてきました。



マルぼん「ぎゃー!!」



ルナちゃん「現実め! 現実め! 私の世界に入ってくるな! 私の夢を汚すな! 現実め!」



 すべてが終わり、ルナちゃんが手の届かないところへ旅立った後、マルぼんがCDを確認すると、『現実的』ではなく『現実敵』と書かれていました。



 ドジなマルぼん! 皆さんも誤字には気を付けてね!


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る