嘘が必ずしも人を不幸にするとはかぎらないっス

担任のアゴ柿「おい、大沼。また遅刻か。最近やたら多いぞ。そういう教義のある宗教かなにかにはいっているのか?」



ルナちゃん「ほかの宗教? んま! ヒロシさんの人間のクズ!」



金歯「その宗教、儲かるでおじゃるか?」



大脳「信者と書いて、儲かると書くでヤンス! 儲かるに相違ないでヤンス!」



ヒロシ「ちがうんです。音菜のやつが…ちょっとケンカして、起こしてくれなかったんです」



担任のアゴ柿「音菜…? 誰?」



ヒロシ「妹です。勝気なのがたまに傷なんですが、根はやさしいいい子で。いつも『おにいちゃんおにいちゃん』と僕を慕っているんです」



担任のアゴ柿「おまえ、妹いないだろ。一人っ子だろ」



ヒロシ「僕には見えるんです。他の人には見えないでしょうけど、僕には見えるんです。妹が」




ヒロシ「そんなわけで、心療内科の紹介状を手渡されただけで、遅刻については怒られもしなかったよー。嘘万歳」



マルぼん「嘘をつくのは感心できんなー。そうだ。『デマ枷2006』を使おう」



 マルぼんは、機密道具をしまっている『四次元胃』から、機密道具の『デマ枷2006』をだすことにしました。胃を刺激し、おげげーと口から『デマ枷2006』を放出しました。



『デマ枷2006』は、手錠タイプの機密道具です。マルぼんは、さっそくヒロシに『デマ枷2006』を装着させました。



ヒロシ「うわ、なんだこりゃ! 外せよう!」



マルぼん「この『デマ枷2006』をつけた人は、嘘をつくと体に激痛がはしるようになるんだ」



ヒロシ「僕の前世はマリーアントワネットでした。ぎゃー!! 死ぬ死ぬ死ぬ!」



 痛みでのたうちまわるヒロシ。



ヒロシ「おたすけー!!」



マルぼん「本当のことを言ったら、痛みはひく」



ヒロシ「僕の前世は蛆虫ですー! はぁはぁはぁはぁ…」



マルぼん「これにこりたら、二度と嘘をつかないことだ」



警官「あーもしもし。大沼さん」



ヒロシ「あ、国家権力さん」



警官「ナウマン象さんのお友達ですよね。実は、ナウマン象さん、昨日から家に帰っていなくて…」



ヒロシ「それは大変だ。そういえばこの前あいつ、『風になりたい。東尋坊へ行ってみりゅ』とか言っ…ぎゃー!! 死ぬ死ぬ死ぬ!」



 痛みでのたうちまわるヒロシ。



ヒロシ「僕が殺しました。はぁはぁはぁはぁ」



 マルぼんは『デマ枷2006』の効果は絶大だと思いました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る