聞こえそうな鼓動が恥ずかしいから切腹。どうして私らしくはないから介錯
ヒロシ「隣町にさ、大藪医院ができたんだってさ!」
大藪医院は、最近流行のフランチャイズ式の病院です。「手術はするけど、傷口の縫合はセルフサービス」「残念ながら物言わぬようになった患者さんは、路上に遺棄」「消毒なし」「当直の医師・看護師はチンパンジー」といった徹底的なコスト削減で、奇跡の低価格を実現。おにのようなスピードで、全国各地に支店をオープンさせているのです。
ヒロシ「わが微笑町にもできないかなぁ『大藪医院』」
マルぼん「微笑町は地図にも載っていないような町だからなぁ。でも、これを使えば、なんとかなるかも。『支店帖』。この手帖の表紙に『微笑町』と書いてみ」
ヒロシ「書いたよ」
マルぼん「次は、そうだな。最初のページに『大藪医院』と書く」
ヒロシ「書いた」
ママさん「そこのスーパーが潰れて、『大藪医院』ができるって!」
マルぼん「この手帖に書いたお店はね、たとえどんなお店だとしても、表紙に書いた町に支店ができるんだ」
ヒロシ「すごい機密道具だね。なくしたら大変だ。きちんと名前を書かないと。『大沼』っと」
パパさん「ぎゃー!」
ママさん「この口が、この口があの女の口を吸ったのか! この手があの女の髪にふれたんかー!!」
パパさん「包丁は武器じゃない! 美味しい料理を作って、人々に笑顔をもたらすアイテムなんだ。だから、ぎゃー!!」
マルぼん「なになに、また殺しあっているよ、あの夫婦」
ヒロシ「父さん、町内のマンションに若い女性を囲っていたらしいんだ。僕の腹違いの弟だか妹もいるみたいだねえ」
こうして、微笑町内に大沼家の支店ができたのでした。
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