ヒロシと恋とせいりゅうとう
ここは町内の公園。
ナウマン象「これ、親戚のおじさんが旅行のお土産に買ってきてくれた青龍刀さ。ヒロシ、ためし斬りさせろや」
ヒロシ「そんなご無体な!」
ナウマン象「俺も鬼じゃねえ。ここに鍋の蓋がある。こいつを盾として使うことを許可しよう」
ヒロシ「こんなの盾になるわけないじゃないか!」
ナウマン象「うるせえ。盾といったら盾なんだ。ショーの開始は今から1時間後な! がはははは」
去っていくナウマン象。
ヒロシ「マルぼん、なんとかしてえ!」
マルぼん「『盾カスタマイズ器』。自分の持っている盾を好きなように変えるできる機密道具なの。どんな風に変えて欲しいのか言ってごらん」
ヒロシ「そうだね。あらゆる攻撃を余裕で防ぐことができて、ちょうど持ちやすい軽さ。見かけは、敵が見たら思わず発狂するくらい醜悪って感じがいいなぁ」
マルぼん「あ、ごめん。『盾カスタマイズ器』には欠陥があったんだ。所持するすべての盾が一気に変わってしまうの。お気に入りの盾も変わってしまう恐れが」
ヒロシ「僕は普通の小学生だから、盾なんて所持してないから大丈夫だよ」
マルぼん「それならいいけど」
ヒロシの注文を『盾カスタマイズ器』に入力するマルぼん。
マルぼん「入力完了!」
入力が終わるとヒロシの持っていた鍋の蓋が、ごわごわと音をたてながら変化していきます。
ヒロシ「ほんとに変化してるよ。あ、見たらだめだ。発狂するくらい醜悪になるんだった」
ナウマン象「がはははははは。ヒロシ、神への祈りは済んだか? 青龍刀のおでましだ!」
1時間たってないのに現れるナウマン象。
ヒロシ「ほら。ナウマン象、この盾(鍋の蓋)見てみれ」
ナウマン象「!?」
盾を見た瞬間、ナウマン象ときたら一瞬で髪が白くなり、目は死んだ魚のごとく濁り、よだれをだらだら垂れ流し
ナウマン象「うひひ。いひ。うひひひ」
ヒロシ「やった。ナウマン象のやつ、盾の醜悪さにヤられて発狂したぞ!やったよ、マルぼん……!?」
マルぼんのほうを振り向くヒロシ。そこには、あらゆる攻撃を余裕で防ぐことができて、ちょうど持ちやすい軽さで、敵が見たら思わず発狂するくらい醜悪な見かけになったマルぼんが。
マルぼんを見た瞬間、ヒロシときたら一瞬で髪が白くなり、目は死んだ魚のごとく濁り、
よだれをだらだら垂れ流し
ヒロシ「うひひ。いひ。うひひひ」
その頃、町内某所の喫茶店。
金歯「最近、ヒロシのやつが生意気で。一度しめてやらないといけないでおじゃる」
大脳「でも、ヤツにはマルぼんというやっかいなヤツがバックについておるでヤンスよ」
金歯「そうでおじゃるねえ、マルぼんという後ろ盾がいなけりゃ、ヒロシなんぞ屁でもないのに」
マルぼんは、ありとあらゆる盾を変化させてしまう『盾カスタマイズ器』の効果は絶大だと思いました。
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