ヒロシ、生きてこそ
ヒロシ「永遠に生きることのできる機密道具だして」
マルぼん「貴様は秦の始皇帝か。まぁ、機密道具の使い方では永遠に生きることも可能だけどね。はい『善行仙人』~」
善行仙人「善行仙人でっす。よい行いを1回するごとに寿命を1時間延ばしちゃいますですー」
ヒロシ「なるほど。よい行いをしまくって寿命を延ばしまくれば、永遠に生き続けることが可能というわけですな」
マルぼん「そゆこと!」
ヒロシ「よっし。よい行いをしまくるぞう。では…さっそく」
懐から出したメモ帳を見つつ、どこからに電話をかけるヒロシ。
ヒロシ「あ、微笑小学校さん? あのですね、オタクに勤める某教師、この前、夜の繁華街で制服姿の女子高生と歩いていましたよ。これはいかがなものかとー」
メモ帳を見つつ、また電話をするヒロシ。
ヒロシ「あ、小山さんのおばあちゃん? 僕、善意の者ですけど、オタクの嫁さん、おばあちゃんの味噌汁に水銀入れてるよ。これはいかがなものかとー」
メモ帳→電話。
ヒロシ「あ、警察ですか? 微笑ロドリゲスマンションの606号室から、なんか火薬の匂いがします。角材とかも運び入れているみたいですー。これはいかがなものかとー」
マルぼん「貴様のよい行いは密告しかないのか」
ヒロシ「さぁ、どうだ。これで3時間、寿命が延びたわけだろ」
善行仙人「は? ふざけんな。悪行を行ったから、ペナルティとして寿命は99%カットじゃ」
ヒロシ「はぁぁぁぁぁぁぁ!? その唐突に登場したルールも気にくわないけど、どこが悪行っていうんだよ!?」
善行仙人「地球を我が物顔で支配し、自然をムダに破壊し、多くの動植物を破滅へと追いやっている人間どもへの善行なんて、悪行も同然じゃ!!」
ヒロシ「うわ、軽く正論! ぐぐ…胸に鈍い痛みが…」
マルぼん「寿命99%カットの影響だ! 死ぬよ!」
ヒロシ「ぬうううう。急いでよい行いをして、寿命を延ばさねば。人間への善行が悪行にカウントされるのなら……これだっ!!」
ヒロシは自決用に所持していた手榴弾で自爆しました。爆音が町に響きます。マルぼんも消し飛びました。
ヒロシ「う、うう…痛い…けど、これで…」
善行仙人「ふむ。愚かな人間どもに力を貸していた愚かな怪生物を消し去ったのは偉大なる功績。寿命を1時間延ばしてやろう」
ヒロシ「や、やたー…」
1時間後、ヒロシは息を引き取りました。
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