水のカイナッツォVS磯野カツオ

 ヒロシと金歯が将棋で勝負、ヒロシは見事勝利したのですが、「観戦していた人々を感動させた。勇気を与えてくれた」として金歯が勝ったことになりました。審査員は、金歯の親父さんが選んだ人たちでした。



ヒロシ「負けるが勝ちとは、よく言ったものだよね」



マルぼん「そうだね?」



ヒロシ「負けても勝てる機密道具出してぇ! どうしても勝たなくてはいけない勝負があるの!」



マルぼん「『タートルセーター』。このセーターを着ている状態だと、どんな勝負でも勝てる。たとえ負けても、世間的には勝ったような扱いになる」



ヒロシ「着用! 行ってくる!」



マルぼん「やれやれ。落ち着かないお人だ。にしても、絶対負けられない勝負とは?」



前髪で顔が隠れている両親が出張中で現在1人暮らしの高校生くん「あははは」



ルナちゃん「あはははは」



ヒロシ「前髪で顔が隠れていて、両親が出張中で現在1人暮らしの高校生くんめ、あんなにルナちゃんと親しげに!」



 負けられない勝負とは、ルナちゃんをめぐる恋の戦だったのです。



ヒロシ「この『タートルセーター』の力さえあれば。って、ああ!?」



 暴走したトラックが、ヒロシをどーん。血がどびゅー。内臓ぐちゃー。



 数年後。そこには、ヒロシの墓前に花を供えるルナちゃんの姿が。



前髪で顔が隠れている両親が出張中で現在1人暮らしの高校生くん「ルナちゃん、例のプロポーズの答えだけど」



ルナちゃん「ごめんなさい。私…」



前髪で顔が隠れている両親が出張中で現在1人暮らしの高校生くん「そう、か」



ルナちゃん「ほんとごめん」



 去っていくルナちゃん。前髪で顔が隠れている両親が出張中で現在1人暮らしの高校生くんは、ヒロシの墓を見つめています。



両親が出張中で現在1人暮らしの高校生くん「卑怯だぞ、ヒロシ、ルナちゃんの心の中にはいまでもオマエがいる。死んだやつには勝てねえよ」



 マルぼんは、『タートルセーター』の効果は絶大だと思いました。

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