さわやか四面楚歌

ヒロシ「いててて、腹がいてえ!」



マルぼん「大丈夫ですか! 今、近場の病院へ連れて行ってやるからな!」



 そんなわけで、マルぼんはヒロシを連れて近場の病院へ。ところが!



マルぼん「行列ができている! これ、みんな受診する人か!」



 病院の前にはすごい行列。この病院、『名医紹介本』で紹介されたそうで、近頃、健康を求める人たちでごったがえしているのです。



行列整理の人「ここが最後尾ですー。ただいま3時間待ち」



ヒロシ「きゅう」



マルぼん「3時間も待っていたら、ヒロシが旅立ってしまうよ!」



 そこでマルぼん、機密道具『トップバット』を用意。このバッドで頭部を激しく殴打された人は、どんな行列とか競争とか試験でも、どんなときでもどんな状態でもトップバッターになれるのです。マルぼんは、このバットで

ヒロシの頭部を何度も殴打しました。



行列整理の人「どうぞ、中へお進み下され」



マルぼん「やた!」



 そして始まるヒロシの診察。ところが医師は暗い顔。



医師「む。これは。うむ…」



マルぼん「ド、ドクター」



医師「隣町にある大学病院への紹介状を書きます。そちらのほうへ行ってくだされ」



マルぼん「え」



 その後、大学病院で診察をうけたものの、ヒロシの病気の原因はわかりませんでした。



医師「まるでみたことのない症状なんです。世界でも類をみない、ようするに今はじめて発見された新病気なのです」



 つまり



医師「今までの症例がないから、治療法もありません」



 マルぼんは、病気の世界でもヒロシをトップバッターにした『トップバット』の効果は絶大だと思いました。なお、いまだヒロシの意識が戻らないのは、病気ではなく頭部殴打が原因なのでご安心ください。

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