にわか飴
ヒロシ「明日は試験なので死にます」
マルぼん「一夜漬けでもいいから、がんばりなよ。がんばってみなよ!」
ヒロシ「にわか仕込みの勉強に頼るほど、それがしは落ちぶれはおらぬ」
マルぼん「にわか仕込みをバカにしたね。この飴をなめてみな。もうバカにできなくなる」
ヒロシ「飴?」
マルぼん「どんなダメ人間でも、この飴を舐めたら1時間だけ、あらゆる道のエキスパートになることができる。1時間だけ、にわか仕込みのテクニックが身につくのさ。その名も『にわか飴』」
ヒロシ「あ、飴を舐めたら、なんだかとっても頭がすっきりしてきたぞう」
マルぼん「『にわか飴』の効果で、キミは1時間だけ勉強のエキスパートになったのさ。ようするに、にわか天才。明日、試験の前にこの飴を舐めるがいいさ」
ヒロシ「ありがとう。これで某は試験で悪い点をとらなくてすみそうです」
ニュース『いきなりですが、ニュースです。地球の食料難がいい感じでピークでして、すげえやばいことになっているせいです。半年くらいは食料ナシです』
マルぼん「それで昨日から、食事がでないんだな。腹減った……」
ヒロシ「そうだねえ」
マルぼん「あ……」
ヒロシ「どうした」
マルぼん「キミって、さ」
ヒロシ「なに?」
マルぼん「美味そうだね」
ヒロシ「は?」
マルぼん「腹が減っているからかもしれないけど、すげえ、美味そうにみえる、ヒロシ」
ヒロシ「おい、よせよ。よだれを拭けよ」
マルぼん「……」
ヒロシ「おい、それ以上近寄るな。あと、ナイフとフォークを……ナイフとフォークをしまえ! 鍋をだすな、湯を沸かすな、おい、おい、おい、ちょ、あ、あ、あああ~! 塩コショウをかけないで! らめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
もぐもぐ。マルぼんは、むしゅむしゃ、ヒロシをにわか食料にしてしまったパクパク、『にわか飴』の効果は、もぐもぐ、絶大だと思いました。げぷっ。
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