ヒロシにゃ学校も、試験もなんにもない。明日も希望も夢もない。
ヒロシ「ふう。なんとか売られずにすんだよ、内臓」
マルぼん「でも、手術で一度体を開けられて、内臓をひとつずつ買取査定されたよね。抜糸はいつ?」
ヒロシ「体調が整ってからだって。それでも試験は続くんだ。明日は苦手な理科。難しい理科だ。どうしよう。もうだめだ。もうだめだ!」
マルぼん「あきらめんなよ。あきらめたら、すべてはそこで終わるんだ。難しい問題でも、あきらめずに取り組めば答えが見つかるはずだ」
ヒロシ「あきらめる。あきらめて、強制労働に耐えうる強靭な肉体作りに専念する!」
マルぼん「仕方ないな…おい、今からこのビデオを観ようぜ」
ヒロシ「なにこれ。野球の試合? なんだ、えらく実力差のあるチーム同士の試合だね。片一方、ボロ負けじゃないか」
しかし、それはただの試合ではありませんでした。負けているチームは、たしかに大敗しているのですが、ゲームを諦めている様子がないのです。あきらめていない。あきらめていないのです!
ヒロシ「なぜだろう。この試合を、いや、この負けているチームのひたむきさを見ていると、諦めないことの大切さがわかってきた気がする」
マルぼん「このチームは、未来の世界の球団でさ。弱いんだけど、そのひたむきさを見ていると勇気付けられるという不思議な現象がおこるんだ。通称『あきらめナイン』」
ヒロシ「うおー! なんか心が豊かになってきたダスー!」
とても健全的な展開になって試験当日。ヒロシは苦手な理科の試験に臨むことに。
マンホール澄江(担任)「試験を開始しますー」
ヒロシ「うう。案の定、さっぱりわからん。でも、あきらめることはできぬ。あきらめなければ、答えはきっと見つかるはずだ。考えろ、僕。考えろ、僕。答えを見つけ出すんだ。答えを! 答えを! あきらめる=死だ! うおーうおー」
そして!
ヒロシ「見つかった、答え!」
ヒロシは鞄から、インターネットを参考にして作ったお手製爆弾を取り出して
ヒロシ「こんな意味のわかんねえ試験を作る学校が悪い! 社会が悪い! ゆとり教育をなめんなー!」
爆発が、多くの命を消し飛ばしました。
1+1は、必ずしも2ではない。あきらめなければ、3にも4にもなります。答えはいつでも無限大。自分なりの答えを見つけ出すことができたヒロシ。マルぼんは「あきらめナインの試合を収録したビデオ」の
効果は絶大だと思いました。
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