PIYOPIYO

子供「ぎゃー!!」



ヒロシ「あ! 通りすがりの子供が、うちの庭に生えた巨大食人植物に捕食された」



マルぼん「庭の手入れをしていないから、雑草が生えて、紆余曲折を経て進化して、こんな悲劇が起こるんだ! きちんと手入れをしろ!」



ヒロシ「でも、でも近くのマンションは、住民がなにもしてねえのに、植木の手入れもきちんとされているよ」



マルぼん「あれは、マンションの管理人さんとかがいて、がんばっているんですよ」



ヒロシ「ボクの家にも管理人さんがいればいいんだ。未亡人で、飼い犬に亡き夫の名前をつけたりしている美人の管理人さんが」



マルぼん「夢がかなうといいだっちゃね」


 

ママさん「ヒロくーん。中村さんが来られたわよー」



中村「やぁ、ヒロシくん」



 ヒロシはついこの間、「悪魔の煙を吸い、悪魔の水を飲む背徳者め!」と叫びながら、ナウマン象をカッターで刺すという事件をおこし、現在保護観察処分の身。中村さんは、そんなヒロシの保護司なのです。



中村「最近、学校へは?」



ヒロシ「えっと、1週間に2日くらい」



中村「がんばっているね。今度は、3日を目指そう。友達は?」



ヒロシ「あまり…」



中村「どんまいどんまい。先は長い。先は長いよー」


 

機密道具の力など借りずとも、ヒロシには、既に己を管理してくれる人がいました。本当にほしいものは、案外近くにあるもの。だから人生は面白い。マルぼんは、星を見上げながらそう思いました。

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