ヒロシ爆弾発言

 ここはヒロシ宅。



ヒロシ「こちら、僕が所属するとある団体の構成員のかた」



須永「はじめまして。反政府テロ組織『まじかるぶれいど』代表の須永です。これ、つまらないものですが、よければ娘さんに」



マルぼん「これはどうも、ご親切に。娘も泣いて喜びます」



ヒロシ「須永さん、実はマルぼんにお願いしたいことがあるそうなんだ」



マルぼん「なんでも言ってください。師の師ならば我が師も同然、友の友なら我が友も同然ですので」



須永「ありがとうございます。実は近々、町内のとある公共機関を爆破しようと思い、爆弾を作ってみたんです。結果、すげえ高性能の爆弾が完成したのですけれども、遠方から起爆するための装置をつけるのを忘れてしまって」



マルぼん「それはそれは」



ヒロシ「爆弾の間近で操作して爆破すればいいんだけど、須永さんにはそんな度胸はないんだ。所詮、その程度の熱意なんだ。ファッション反政府活動ってやつだね。なんとかならないかな」



マルぼん「『どこでも起爆装置』。この起爆装置を押せば、一番近くにある爆弾が爆発する。まぁ、今現在、他の人が微笑町に爆弾をしかけているとも思えないし、押せば間違いなく、あなたの設置したヤツが爆発するでしょう」



須永「ありがとうございます。ありがとうございます。さっそく押しますね」



マルぼん「ところで須永さんは、なぜにそういった活動を?」



ヒロシ「須永さんは昔、すごい野球少年だったんだって。優秀なピッチャーで、将来を嘱望されて、まわりからチヤホヤされていたんだ。でもある日、ささいなことで肩を壊してしまって、医者に『このまま投げたら、腕が動かなくなりまっす』と言われたんだ。それで野球を止めたんだけど、その瞬間、まわりの人が光の速さで冷たくなった。それがショックだったんだって。それで『こんな社会滅びてしまえ』って」



マルぼん「今、肩のほうは?」



ヒロシ「まだ治っていないそうだよ。今も、無茶をしたら腕が動かなくなるかもしれないんだって」



マルぼん「ふうん。肩に爆弾を抱えているようなものだね」



須永「ポチっとな!」



 大きな爆発が、ヒロシの家を地上から消し去りました。マルぼんは『どこでも起爆装置』の効果は絶大だと思いました。

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