ふるさと

 微笑町出身の政治家が、微笑町の万博を誘致したり新幹線の駅を作ったりと、とにかく地元大好き人間で、とても話題になっています。



ヒロシ「わぉ!  僕、大人になったら絶対にこの人に投票しちゃう! 僕 もいつか大物になって、政治家になって、露骨すぎるくらいの勢いで、地元に利益をもたらしてやるンだ!」



マルぼん「政治家にならなくても、故郷に利益をもたらし、錦を飾ることはできるさ。『コキョウニシキ米』。この米を食べて、ひたすら故郷のことを思えば、故郷に利益がもたらされの。故郷を想う心が強ければ強いほど、もたらされる利益は大きくなる」



ヒロシ「よし、待ってろ、微笑町のみんな! 楽な暮らしをさせてやるからな!

もぐもぐもぐ」



『コキョウニシキ米』を生のまま、バリバリ食らうヒロシ。



マルぼん「あ、ヒロシ。待て!」



ヒロシ「バタンキュー!」



 ヒロシ、そのまま卒倒して、そのまま他界、また来世! 『コキョウニシキ米』は、精米する前は猛毒なのです。これ、みらいの常識。これ、ギャルの鉄則。



 その後、ヒロシの保険金で整形手術を受けたママさんは、とても綺麗になりました。若い男が入れ食い状態なのだそうです。



ママさん「やっぱ愛ですよ、愛!」



 全ての人間の故郷は母の胎内。マルぼんは、見事に故郷に利益をもたらした『コキョウニシキ米』の効果は絶大だと思いました。

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