喧嘩は止めた。二人を止めた。

ママさん「あの世で私にわび続けろ、ダメ亭主ー!!」



パパさん「貴様など貴様など貴様など貴様などにこの命をやらせるかよー」



ヒロシ「また両親が、武器を持ち出して夫婦喧嘩をしている」



マルぼん「この貝を持って、止めにはいるんだ」



ヒロシ「やだよ。やつら、武器をもっているんだぜ。まきこまれて悲惨なことになって、またひとつの悲劇が生まれるだけさ」



マルぼん「いいから逝けよ!」



ドンと、ヒロシの背中を押して、争う2人のところへやるマルぼん。



ママさん&パパさん「「!!」」



ヒロシ「あ、2人の表情がおだやかになったぞ」



マルぼん「それは『かす貝』という機密道具。夫婦がケンカしている時、その夫婦の子供がこの貝を持って近づくと、わが子への愛が増大し、その夫婦ケンカは即座に止まるんだ」



ヒロシ「よい機密道具だね」



ナウマン象「それ、貸してくれないか。おれの親も、最近ケンカばかりでよ」



ヒロシ「それはたいへんだ。どうぞどうぞ」



ナウマン象「ありがとうございます。では、さらば!」



マルぼん「おい、今渡したの『かす貝』やないで。前に君が小遣い稼ぎのヌード写真を撮影するときに、大事な部分を隠すために使用した、何の変哲もない貝殻やぞ」



ヒロシ「しまった。でもまぁ、いいやないの」



そして



ナウマン象ママン「このダメ亭主!」



ナウマン象パパン「んだと、死なすぞ!」



ナウマン象「ダディ! マミィ! ケンカはやめておくれよ、ほら、この貝を見ろよ!」



ナウマン象ママン「なにいってんだい、この子は! ケンカの原因はアンタだよ!」



ナウマン象「は?」



ナウマン象パパーン「40歳になっても、定職にも就かず、小学生相手にガキ大将気取り! こんな子に育ったのは、どちらのせいか。それで揉めたのが原因だ」



ナウマン象ママン「あんたのせいであんたのせいで」



ナウマン象パパン「俺たちの人生を返せ! 返せ!」



ナウマン象「いや、いや。いやー!!」



ナウマン象ママン「外に逃げるつもりだわ! ダーリン、追ってちょうだい!」



ナウマン象パパン「まかせな、ハニー! 逃げるな、ナウマン象!」



ナウマン象ママン「このギロチンを使って、ダーリン!」



ナウマン象「ひぎぃ!! おたすけー!!」



 こうして子どもハンティングが始まり、ナウマン象両親の諍いは中断。マルぼんは『かす貝』の効果は絶大だと思いました。

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