さよならモンキー、また来てゴリラ、きっと明日はチンパンジー

ヒロシ「ふええ。宿題の国語ドリルが難しいよう」



マルぼん「どれどれ。この未来大学主席卒業のマルぼんにまかせてみ」



宿題『兵庫県に住む、公務員のZ氏は、愛する妻と子供を出刃包丁で刺し殺してしまいました。警官が駆けつけた時は、血の海の中で、Z氏は泣いていました。妻と息子の亡骸を抱きしめて。なぜ…なぜ彼は、愛するもの命を自ら奪ったのでしょうか。50字以内で答えなさい』



マルぼん「むずいな」



ヒロシ「だろ? ねえ、宿題を簡単にできる機密道具をだしてくれよ」



マルぼん「『簡炭』。この練炭を燃やして発生した煙を浴びたら、どんなものでも簡単になる。ほれ」



『簡炭』の煙で、国語ドリルを焙るマルぼん。するとどうでしょう!



宿題『「国語」はなんと読むのでしょうか』



ヒロシ「うそみたく簡単になった!」



マルぼん「『簡炭』の効果は絶大なのさ。よし。宿題も完了したし、遊びに行こう」



 マルぼんたちは『簡炭』を放置してでかけてしまいました。窓を開けっ放しで。



そして数時間後。家に帰ってみると。



パパさん「ほう、今夜はからあげか。どれどれひとつ」



ママさん「あ、あなた。つまみぐいはだめよ」



 パパさんを包丁で刺すママさん。



ママさん「だってつまみぐいするから」



ヒロシ「簡単に夫を刺しちゃダメ!」



ママさん「そうね、ごめんなさい。謝ってくるわ。地獄で。ぶしゅ」



ヒロシ「簡単に自ら命を絶っちゃダメ!」



警官「殺人事件ですって?」



ヒロシ「実はかくかくしかじかで、犯人である母は、苦しみも悲しみもない世界へと旅立ちました」



警官「そうですか。なら、あなたが犯人でいいです」



ヒロシ「簡単に事件を解決しちゃダメ!」



警官「あ、部長ですか? 犯人捕まえました。はい、今から裁判ですか?。はい、はい。判決は死刑ですね、りょーかーい」



ヒロシ「簡単に判決を下したらダメ!」



警官「はい、この拳銃をどうぞ」



ヒロシ「簡単に死刑執行の道具を決めちゃダメ!」



警官「はい、執行」



ヒロシ「簡単に最後の武器の引き金をひいちゃダメ!」 



マルぼん「仕方ない仕方ない。ゲームしよう、ゲーム」



ヒロシ(草葉の陰在住)「簡単に全てを思い出にしちゃダメ!」

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