転校生騒動

マルぼん「なに、転校生の美少女とお近づきになる機密道具がほしい? へえ。転校生なんてきたんだ、きみのクラス」



ヒロシ「いや、転校生なんていないよ。だから、転校生が来る機密道具がほしいの」



マルぼん「『フラグ食パン』。この食パンを口にくわえて『わー遅刻遅刻~』と叫びながら町中を走る。走っている最中にぶつかった人が、翌日、自分のクラスに転校生としてやってくる」



ヒロシ「わーい!」



 さっそく、『フラグ食パン』を加えてしまったヒロシですが、家をでるなり、変なおっさんにぶつかってしまいました。



おっさん「いてて」



ヒロシ「おっさんでも転校生としてくるの!?」



マルぼん「『フラグ食パン』の効果は絶大だけどさすがにおっさんは無理だ。……って、あ、ああ!?」



 マルぼんびっくり。なんと、微笑町とは20年以上戦争中である隣の薄笑町の戦闘機が空を飛んでいたのです。それも大量に。戦闘機の爆撃で、火の海となる微笑町。



 この日の爆撃が決め手となり、微笑町は薄笑町に降伏。戦争は終結しました。



 半年後。学校の校庭で再開された青空授業。



ドクロまんじゅう(担任)「えー、転校生を紹介する」



おっさん「こんにちは」



ヒロシ「あ! あのときのおっさん!」



おっさん「あ、あのときの!」



ドクロまんじゅう「なんだ、大沼は知り合いか? このおっさんくんは、戦争のせいで子供のころに勉強ができなかったから、やり直すために入りなおしてきたんだ。仲良くしてやるように」



 おっさんまで転校生にしてしまう『フラグ食パン』の効果は絶大だと、マルぼんは思いました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る