組織ヒョウ
ヒロシ「一度にたくさんの人間を葬ることのできる機密道具だしてー!」
マルぼん「そんなものは、ない! 存在すらしない!」
ヒロシ「そこをなんとか!」
マルぼん「むう。いつになく食い下がってくるな。いったいぜんたい、いかがいたした?」
ヒロシ「実は、最近趣味のサークルをたちあげたんだ。ところが、誰一人入会してくれる人がいないんだよ!」
マルぼん「ほうほう。どんなサークルなの?」
ヒロシ「憧れの女の子が、運命のいたずらで己の義理の妹もしくは義理の姉として引っ越してきて、同居することになったときの対処法とかをみんな学ぶ、カルチャーなサークル」
マルぼん「死んでしまえ」
ヒロシ「そんなこと言わないで、なんとかしてくれよ! 大量殺戮兵器はいらないから、みんなが我がサークルに入ってくれるようになる機密道具だして!」
マルぼん「『組織豹』~!」
組織豹「ぐるるる…」
ヒロシ「まじもんの豹じゃないですか」
とりあえず、1回噛まれてみな」
がぶっ
ヒロシ「ぎゃーいたいいたい!」
マルぼん「おっけー。これで『組織豹』が君のデータを入手した」
ヒロシ「へ?」
マルぼん「『組織豹』は、最初に噛んだ人のデータを記録する。そのデータを元にして、体内で特殊なウイルスを作り出す。そのウイルスに感染した人は、最初に噛まれた人の所属している組織に入りたくてしかたなくなるんだ」
ヒロシ「どうやってウイルスを感染させるの?」
マルぼん「『組織豹』が噛めばいい。噛まれた人は、ウイルスに感染するんだ」
そんなわけで、マルぼんとヒロシは『組織豹(ヒロシデータ入り)』を町に解き放ち、『憧れの女の子が、運命のいたずらで己の義理の妹もしくは義理の姉として引っ越してきて、同居することになったときの対処法とかをみんな学ぶ、カルチャーなサークル』の会員を爆発的に増やすことに成功したのでした!
その後。
町の人A「うちのじいさんも、あの豹に噛まれたんだ」
町の人B「うちの子供も」
町の人C「我が家のエリザベスちゃんも」
町の人D「ミーの山崎甚左衛門基広たんも」
町の人E「某の家も」
町の人A「あの豹は、大沼ンとこのガキと居候が操っているンでしょう? 訴えましょう!」
町の人B「みんなで訴えたほうが効果があります。作りましょう!」
町の人Z「なにを?」
町の人B「被害者の会です! 大沼ヒロシ被害者の会!」
こうして『大沼ヒロシ被害者の会』が結成されました。会員は数え切れないほどだそうです。関係の無い組織の会員数まで増やしてしまう『組織豹』の効果は絶大だと、マルぼんは思いました。
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