商売繁錠

 マルぼんが微笑町随一の自殺の名所で、色々と遊んでいると、1人の男がコメカミに銃口を押し付け、「アバヨ現世ヨロシク来世」を敢行しようとしているではありませんか。



 人の命がなによりも大好きなマルぼんは、必殺技の石化唾液で銃を持っていた男の腕を石化させ、最悪の事態を防ぎました。



「俺の腕が! 俺の腕が!」と取り乱す男を、暴力をもって落ち着かせたマルぼんは、なんとか話を聞きだすことに成功しました。



自殺男「仕事がうまくいかないのです。」



「なんだそんなこと!」とマルぼん。



 マルぼんは男のために『商売繁錠』という機密道具を渡しました。



マルぼん「この薬を飲めば、自分の仕事に関係あることがおこるんです。たとえば飲んだ人がリフォーム業者なら、偶然知り合った人が家がボロくなってきたからなんとかしたいなと思っている金持ちの独居老人だったりします。こういうことが立て続けに起こって商売繁盛につながるわけです」



 マルぼんは嫌がる男に無理矢理『商売繁錠』を飲ませると、一緒に自殺の名所から離れて町へと繰り出しました。



マルぼん「とりあえず、飲み物でも買いましょうか」



 2人で近くのコンビニに入りました。その瞬間、店内にいた女子高生が、陳列されていた商品を鞄に入れ始めたではありませんか。万引きです!



店員「お客さん、困ります!」



 止めに入った店員を、近くにいた会社員風の男が殴りました。暴行です!



 その男を、さらに別の人間が殴って…店内は阿鼻叫喚の地獄に!



 店内だけではなく、外でも歩いていた女性のハンドバックがひったくられ、子供たちはピンポンダッシュを繰り返し、歩いている若い女性を小太りの男が電柱の影から見つめ、芸能人はクスリに溺れ、政治家はやくざ風の男から金を受け取っています。



 微笑町は、犯罪都市と化したのです!



自殺男「僕、警察官なんです」

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