卑怯なり! 弱点狙い撃ち! の巻
知る人ぞ知るマイナー競技・エキサイティング内臓ボーリング男子自由形。ヒロシはこのエキサイティング内臓ボーリング男子自由形の微笑町代表チームの一員であります。そして近々、隣の薄笑町との試合があるのです。この二つの町。微笑町が南朝ならば薄笑町は北朝、微笑町が山名側なら薄笑町が細川側、微笑町が西軍なら薄笑町は東軍、微笑町がフローラ派なら薄笑町はビアンカ派といった具合に、諍いが絶えない因縁のライバルなのです。ってなわけで、微笑町チームは公民館に集まって対策を練ることに。
「薄笑町は相手のデータを徹底して集めて、それぞれの選手の弱点を攻めてくるというのが得意の戦法だ。各々弱点を徹底的に強化し、返り討ちにしてやりましょう」
「いうても試合は2日後。そう簡単に弱点の強化などできますか」
悩む一同にマルぼんが機密道具を出しました。
「弱点自動兵器化マシーンを使いましょう!」
その名の通り、対象の弱点を自動的に見極め、兵器へと改造してしまう機密道具です。さっそく、痴情のもつれで刺されてできた古傷が痛み、弱点となっていたナウマン象の右足をミサイルが発射できるように改造。
「俺の右足を弱点と思って襲ってきた薄笑町のやつを、ミサイルで返り討ち。粉砕だ! 肉片にしてやるぜ! 肉片はペットのシャコにくれてやる!」
そんな感じで、チームの各々が弱点を兵器へと強化していくのでした。次はヒロシの番なのですが。
「僕は特に弱点とかないなぁ。自分では気づいていない弱点があるのかもしれないけれど」
「そういう人のために弱点を自動的に探知し、改造する機能もある。ついでにいうと、こんなこともあろうかと君の弱点は既に改造済みなの」
「おいヒロシ。孫の邪道乃介ちゃんを迎えに来たみたいだぜ」
「そうだ! 孫の邪道乃介! 目に入れもいたくない、僕の可愛い孫! 孫という名の宝物! 邪道乃介ー!! 邪道乃介ー!! 邪道乃介ー!!!」
説明し忘れていましたが、今回のヒロシは68歳という設定です。マルぼんとはデイサービスで知り合った友人という設定です。弱点の話もそこそこに、邪道乃介会いたさに公民館を飛び出すヒロシ68歳。
「グランパ」
そこにはヒロシを祖父と呼ぶ戦車が一台。
マルぼんは「弱点自動兵器化マシーン」の効果は絶大だと思いました。
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