涙のカリスマ登場の巻

 微笑町の観光資源と言えば、その昔、罪人を酷使していた炭鉱後。お金を入れたらこじゃれたことが言う罪人ドールを適当に配置して「当時の様子」みたいな説明文をつけりゃ、それなりの観光地になっていたのですが、ドールのモデルになった元罪人のナウマン象氏と「ナウマン象氏の名誉を回復する会」に訴えられて敗訴。



 炭鉱を観光地として使用できなくなったうえ、謝罪と多額の賠償をする羽目になったのです。



「このままでは町が超ヤバーイ」と、町長。町の鼻つまみものだけれど、不思議な道具を持っているマルぼんを呼んで、対策を練ることにしました。



「町長。ようするに、炭鉱に代わる観光資源があればいいわけです。そこでこちらをご用意いたしました」



「なんだ。シャブの打ちすぎで死にかけている男じゃねえか。こんなのが観光資源になるわけねえじゃろ」



「お待ちください。この死にゆく男の顔をよくご覧ください」



「あ! こいつ、歌手じゃないか。若者に人気のあるって聞いたことがあるぞ!」



「そう。この人は、カリスマ三郎。その名の通り、若い人にカリスマ的な人気のある歌手。『大人タチノ束縛ガー! 僕タチノ自由ガー!』みたいな歌を歌ってらっしゃる。しかし今まさに息を引き取ろうとして……引き取りましたね。さぁ、これから彼を適当な場所に放置しましょう」



 カリスマ三郎を適当な場所に放置。まもなく発見され、そのことは全国的なニュースとなりました。すると。



「マルぼんくん! 若者が大挙して押し寄せて、いろんな店の売り上げ大幅アップだ! 何が起こったん、これ!」



「押し寄せてきたのは、カリスマ三郎の熱狂的な支持者。カリスマ三郎の逝った場所である微笑町は、彼らにとっての聖地になったのです!」



「後追い自殺した人らの遺品をガメて、海外に輸出。小銭稼ぎも順調! よし、もっともっとカリスマに死んでもらって、大儲けだ!」



「そう思ってすでにご用意しております。世界に4億の信者がいる超ド級新興宗教の教祖さんと、それと同レベルの別宗教の教祖さんです」



「そのレベルのカリスマはマズイ! 元の場所に返してきなさい!」



「ダメです。熱中症で、もう」



「ええー!?」



 物語の途中ですが、ここで、2人のカリスマをこの世から葬り去った熱中症について一緒に学んでいきましょう! 



Q.熱中症ってなんなの?

A.高温が続くことで体内に熱がこもることで起こる、様々な症状のことです。


Q.どんな症状があるの?

A.めまいや頭痛、筋肉のけいれん。嘔吐等たくさんあります。ひどくなると意識を失い、重い後遺症が残ったり命を失ってしまうことがあります。


Q.どうやって予防すればいいの?

A.炎天下で無理に活動しないこと。こまめに水分や塩分を摂りましょう。屋内でも症状がでることも多いので、我慢せずにエアコンをつけましょう。


Q.昼間だけ気をつけておけばいいの?

A.熱帯夜が続くと、寝ている間に症状がでることも。我慢せずにエアコンをつけましょう。


Q.エアコンつけているともったいないでしょう?

A.そんなことは言っていられないですよ。


Q,熱中症になってしまったら、応急処置は?

A.日陰等の涼しい場所に移動して、服などを緩めてください。そしてとにかく体を冷やしてください。その際、脇の下など太い血管が皮膚のすぐ下にある場所を冷やしてください。それから、スポーツドリンク等で水分と塩分を摂り、ゆっくり休んでください。症状が治まらないとき、重篤なとき、意識が朦朧としてきた時はすぐに病院へ!


Q.この話のオチは?

A.教祖が亡くなった場所ということで、それぞれの信者が大挙して訪れて反目しあい、内戦に発展して町壊滅。ヒロシもいろいろあって、現在はゲリラです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る