かわいいかわいい こっくさん
『最近は、食の不安がこれでもかっ! これでもかってくらい広まっております。できることなら、国産品のものを食べたいと思います。でも国産品はなんでもかんでも高くて高くて』
「がんばって、高収入めざせ。特権階級になれ」
『楽して国産品を食べたいのよ』
「だったら政府にお願いすればいい。機密道具『絶対届く目安箱』。こいつに投書をすると政府の偉い人にお願いが届く。場合によっては動いてくれる」
*
「おい、どうした。ボーっとしていたら、撃たれるぞ。ヒロシ」
『いや、ちょっとね、昔のことを思い出してて』
「昔。昔か。昔はよかったな。毎日みんなでバカやってよ。笑いあってよ。ルナちゃんもナウマン象も金歯も生きていたな」
ここは某国。わが国が、世界中に突然宣戦布告をしたのが数年前。老いも若きも男も女も、皆さん武器を手に取り、突撃突撃、いざ泥沼へ。
「しかしなんだって、いきなりあちこちに戦争をふっかけるようなことを始めたんだろうな、うちの政府は」
「他の国がうちの国になれば、そこで作ったものって、すなわち国産品になるんじゃねえ? うちの国の領土が増えたら、国産品も増えるんじゃねえの?」。
1人の少年の小さな願いをかなえるべく、政府が導き出した答えでした。
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