ヒロシの強くてニューゲーム

ママさん「自己破産しちゃいました(笑)」



ヒロシ「はぁ?」



ママさん「いまこそ、家族が一致団結して、この難局を乗り切るときじゃないかしら!? そのときじゃないかしら!?」



ヒロシ「うざい」



ママさん「とにかく、全てを捨てて、1から……いえ、ゼロからスタートしないといけないわ」



マルぼん「自己破産だからなぁ。ゼロどころか、マイナスからのスタートだ。こりゃ」



ヒロシ「マイナスからの人生か。想像だにできないや」



マルぼん「なら、体験してみるか。『なんでも体験機』。どんなことでも3分間の間だけ体験できる、魔法のゲーム機」



ヒロシ「よし、これからの悲惨な人生を歩む僕だ。景気づけにちょっと体験してみるか! まずは『ゼロからのスタート』!」



マルぼん「では、このスイッチを押します。さすれば、『なんでも体験機』が起動しますん」



 マルぼんはさっそくスイッチを押しました。するとどうでしょう。ヒロシが赤ん坊になってしまったではありませんか。赤ん坊ヒロシは3分間泣き続けると、元に戻りました。



ヒロシ「なるほど。人生がゼロからスタートしたわけだね。じゃ、続いてマイナスからのスタートを体験しよう。ポチっとな」



 すると、ヒロシは蛆虫に姿を変えました。



マルぼん「蛆虫? そういえば、どこぞの占い師が『ヒロシの前世は蛆虫』とか言っていたっけ。なるほど。人生がマイナス(前世)。からスタートしたわけかー」



 マルぼんは、人生までマイナス(前世)からのスタートにしてしまった『なんでも体験機』の効果は絶大だと思いました。



 暑さにやられたのか、蛆虫はやがて動かなくなりました。

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