9

聞こえる話ではないのですが

見えると言うわけでもなく…

これはもう仕事始めてる頃の話。




ドロドロに疲れて帰って


風呂に入る。


風呂から出て、なんか違和感がある。


脱ぎ散らかした服が全部黒い服だった。


私、今日の服装こんなに真っ黒だったかな?


疲れすぎて思考停止しているのか


思い出せない。


まあ、どうでもいいや。




次の日もドロドロに疲れて帰り、風呂に入る。


風呂から上がると昨日と同じ光景。


あれ?まあいいか。


こんなことが何日か続く。




ある日、風呂に入ろうとすると


水蒸気の加減なのか


ドアのすりガラス一面に


瞳の大きなおかっぱ頭の女の子の顔が浮かんでいる


なんだこれ…


タオルで拭いてみたけど取れない。


内側かな?と拭いてみたけど取れない。


カビか?


洗剤で擦ってみたけど取れない。


…とりあえず放置。




しばらくしたら顔はなくなったが


風呂場の小窓に


今度は観音様の影が浮かんだ。


成仏したのかな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る