Ep 14. 刻印魔術

「そこのお二人さん!あの防具は夕日金銅オリハルコン製だ!簡単に突き通せるものではない!僕のことはおいて逃げるんだ!」


キングオークに襲われてた人が言った。いや、ここまで来て見捨てるわけ無いじゃん。だけど、、

オリハルコンといえばゲームやラノベでよく出てくる金属だ。確か銅に亜鉛、ニッケルを混ぜた合金だったと思う。だけどよくある設定では、、、


「健二、オリハルコンはすごい剛性を持っていて、《不屈》の金属だよ。並の武器じゃ攻撃が通らない。多分あのキングオークはそれを扱う商人を襲ったんだと思うよ。」


ツヴァイの表情が険しくなる。


「やっぱり、、、じゃぁこれはどうだ!《荒れよ雷 光の戦槌となりて その路を行け》ッ!」


プラズマランスの収束電撃エネルギーがキングオークに殺到する。が、、、


「はあ!? これでも無傷!? こりゃぁもうやることがない、、、」


諦めかけたその時、ツヴァイがはっ!と何かを思い出したような顔になった。


「健二!カタナでオークを斬って!」


「カタナ?それで斬れるの?」


「多分、、、ボクの予想が正しければ。」


「分かった、、、。他の敵はよろしく!」


「了解!〈剣よ〉」


「〈カタナ〉!」


手に日本刀が具現化すると同時にキングオークに向かって駆け出す。手下のオーク達が襲ってくるが、ツヴァイの《叡智の剣》で叩き落とされる。


「いやあァァァァァあああああッッーー!」


ギシッ!、、、

カタナと防具がぶつかり合う。当然、傷はつけられない。だが、、、


ピキ、、ピキピキ、、、、、、パリンッ!!

ガラスが割れるような音がすると同時にカタナがキングオークを防具ごと・・・・両断してた。


「「え?」」


俺と襲われてたお兄さんの声が重なった。そこでツヴァイ一人が訳知りな顔で安堵のため息をついていた。


「さっきのは、、、?」


「多分なんだけど、《愚者》の異能は空間ベクトル操作ができるんだと思う。」


「空間ベクトル、、、?つまり、さっきのって」


「たぶん防具側の抵抗を操作してたんだよ。それで《不屈》が破られたんだ。」


「お二人さん、さっきはどうもありがとうございます!おかげで助かりましたよ。もう、なって礼を言えばいいか、、、」


「気にしないでください。だけどどうしてこんなとこでキングオークが、、、」


「そんなに珍しいのか?」


「キングがつく奴は大抵群れのトップなんだよ。それがこんな街の近くまで、、、普通は森の奥に潜んでいるのに。」


「んーと、あれだよ。多分街を観光しに来たんだよ。」


「ははは、それはないよ。まぁ、一応協会に報告しておこう。」


街ん帰るついでに、お兄さんを街へ送っていくことになった。そしたら、


「実は僕、イーロン商会の用事でこっちに来てまして、時間があったら、本部の方に起こしいただけると。」


イーロン商会って俺たちがよく鉱物(硫黄)を買いに行ってるとこじゃないか。


「イーロン商会だったんだ。じゃぁハイレカの支部まで送りますよ。」


「ありがとうございます。」


支部に着くと、お礼として魔石を貰った。


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さて、この大量の魔石をどうするか。それは、


「せっかくだから刻印魔術教えてあげるよ。」


「刻印、、?封爆石作ってたときにやってたやつ?」


「そうそう。あれを教えるにはそれなりの量の魔石何だけが必要なんだけど、今回ちょうどもらったから、それでやろう。」


刻印魔術。

それはルーン文字を刻み込んで特定の魔術機能を埋め込む、魔導具などでよく使われる方法だ。文字を魔石や各種素材に刻み、そこに魔術触媒を流し込み、術式を成就させる。そうすれば、魔導具の完成だ。


「じゃあ、とりあえず実験室に移動しようか。あっちに道具や触媒があるから。」


ところ変わって実験室。机には手袋、魔石がいくつか、触媒が入った瓶、彫刻刀みたいな道具が置いてあった。この手袋も魔導具で、不振のルーンが刻まれてる。初心者用のツールで手の震えを取り除く効果がある。


「よし、手袋もはめてっと、、、。」


彫刻刀を手に魔石にルーンを刻んでいった。

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