Ep 11. 魔術火薬

〜前回のちょこっとあらすじ〜

・オルゴール堂を思い出した

・冒険者登録したら決闘を申し込まれた

・勝ったら長官に呼び出(ry


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「なに、悪いことで呼び出すわけじゃないよ。少しお話があるんだ。長官室まで来てくれないか。」


なんだ、びっくりしたー。てっきりなにか悪いことでもしたのかと、、、


「いいですよ。何についてか聞いてもいいですか?」


「ああ、君のランクについてだ。さっき、Bランクのやつを倒しただろう、それでだ。君のランクを上げたいと思う。」


「そういうことですか。」


長官室っていうぐらいだからそこそこ豪華な部屋だと思ってたら、案外普通だった。部屋も装飾の類はなく、机と本棚、簡単な湯沸かし器みたいなもの、そしてモニタのようなものがあった。


「私は無駄なものを置かない主義でね、あまりごちゃごちゃとした雰囲気が好きではないんだ。まぁ、それはどうでもいいとしてさっきの決闘だ。君はBランクに勝ったからね。彼をCランクに下げて君をBランクに上げようと思う。それでいいかね?」


「はい、ありがとうございます。」


ランクはFからS4まであって今は登録したばかりでFランクになっている。それが一気にBまで上がるのだからすごい昇格だ。


「今日は依頼受けていくかい?」


「今日は帰ります。登録も無事終わったんで。」


そして俺達は協会を出て屋敷へと帰った。


「あの小僧、ケンジとか言ったな。《愚者》の気が漏れていたな。しかも、決闘を見る限りもうそこそこ使えるようになっている。早く報告せねば、、、」


「セイン様〜?お茶を持ってきましたよ。お飲みになりますか?」


「ああ、テーブルにおいといてくれ。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


カキンッ、、、キュルキュル、、、、、、カチッ、、、


「よし、完成だ。たぶん、、、」


今日の午後ずっと部屋で作業してできたのがコレ。


「コレが健二が言ってた『銃』かぁ。」


今回制作したのが|回転式拳銃(リボルバー)だ。設計はライネルさん、部品制作は錬金術。これは一から設計した特別製らしく、、、


「使用火薬の調合方法は別ページ参照、だって?いや、わかってるぞ、そんなもの。」


そう言いながらも、見てみると、『魔術火薬の調合方法』と書いてあった。


「魔術火薬って、、、、、、?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


魔術火薬の調合方法


・硝石を7、木炭を1、硫黄を1の割合均等に混ぜる。


・次に、作成した粉薬10に対し、|炎粉(ブレイズパウダー)1、封爆のルーンを刻み込んだ魔晶石を砕いた粉末1を加える。


・それらを日没の時刻に『終わりの石』でできた小瓶に封入し、3回その上で光のルーンを描く


以上の工程をもって調合を終了とする


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「炎粉ってなんだ?」


「炎粉、、、?ちょっとその紙見せて?」


ツヴァイに紙を渡すと、その表情が驚きに変わっていった。


「これ、高等儀式調合法だ!しかも『終わりの石』って、すごく貴重なやつじゃなかったっけ?」


おいおいライネルさん、それはないぜ。調合に必要な素材が超レアとか、、、


「健二、これは?」


ツヴァイが指差したのは小包だった。


「なんだろ?、、、、、、この瓶は?」


中から出てきたのは小瓶と言うには少し大きい石製の瓶だった。


「黄色のひび割れた石、、、あ、コレが『終わりの石』の小瓶じゃない?」


「よかった〜。今日中に調合も終わらせようかと思ってたから終わんないんじゃないかと。」


「じゃ、ちゃちゃっと終わらせよっか。いま炎粉と封爆石持ってくるから。」


「じゃ、俺も火薬の素材持ってくるか。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そして、調合は始まった。


「硝石を7、木炭と硫黄を1、、、」


乳鉢と乳棒で素材同士を混ぜ合わせてゆく。


「次は、、、」


「炎粉と封爆の魔晶石だね。」


ガリガリ、と石を砕く音が響く。そして、


「これで完成か。時間ギリギリだな。」


「うん、これで、、、?」


「銃本体に弾と一緒に入れて撃てるようになる。だけど今日は時間的におしまいだな。食堂で夕飯が待ってるぞ」


「うん、行こう!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る