Ep 2. ステータスがチートだった件について

あの異能はアルカナといってある大昔の天才錬金術師が神の力を分けたものらしい。全部で76枚あってそのうち22枚が|大アルカナ(Major Arcana)、56枚が|小アルカナ(Lesser Arcana)で、俺の《|愚者(The Fool)》は大アルカナ、No.0。存在しないんじゃないかと言われるほどめったにいないらしい。

「そんなにレアなのか。ちなみにスキルは?」

「愚者の眷属、【闇影犬スキロス】を操る能力。」

「うーん、ぱっとしないなー。そんで、お前もアルカナ持ちだったりするのか?」

「ボクは《叡智の剣Swords of Sophia》、母様はNo.14《節制Temperance》だよ。アルカナもそうだけど健二の魔術Lv. 8もすごいよ。二週間あれば電撃系はできそうだね。」

「お母さんも大アルカナ?!魔術の方も二週間しかかからないのか?もっとかかると思ったけど、、、」

「初期レベルが高いほど習得期間が短くなるのが普通。あと、|闇影犬(スキロス)がぱっとしないとか言ってるけど訓練次第で色んな使い方ができるから、それなりに強いよ。後でお母様に教えてもらったら?」

「後でって、もう夜だよ。早く宿探さないと。」

「うちの屋敷、部屋は空いてるから泊まったら?母様もいいよって言ってくれるし、たぶん。」

泊まらせてくれるのは宿無しの俺にとっては普通にありがたい。宿が決まって俺も一安心。

「マジで?感謝する。」

ガチャ。ドアが開いて誰かが入って来た。

「ツヴァイ様、健二様、夕食ができました。食堂の方へどうぞ。」

入ってきたのは猫耳のメイドだった。

「ん?猫耳?」

実は健二、アニオタ、そして銃オタなのである。

「転生一日目で猫耳メイドか〜。面白くなってきたじゃん!」

「? なにか言ったか?」

「な、何も」

やべぇ、つい本心がだだ漏れになっちまった。

「あ、そうだ。この機会に紹介しとくけど、彼女がうちのメイドのシェス。彼女は猫族なんだ。」

「だから猫耳が」

「そういうこと。早く食堂行こ!ボクお腹減った!」


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食事の内容はなかなか豪華なものだった。さすがお屋敷という感じ。

「健二君、宿決まってないならこれからは家に泊まれば?魔術と異能も教えてあげるよ?」

「さっきツヴァイと話してたんですけど、そうさせていただきます。」

「あら、そう」

「そういえば、健二の服なんか見たことない感じだね。なんか、カッコイイていう、、、その、、似合ってると思う。」

「な?ありがと。」

「健二君の国はどのようなかんじなのかしら?」

「そうですね、、、

俺は、もう全部正直に話すことにした。自分が転生者だということ。いわゆる異世界から来たこと。

「え?だって、東の方から来たって、、」

「いや、下手にバカ正直に言わないほうがいいかな、と。変なとこ連れてかれるかもしれないし。」

「たしかにその可能性は十分にあるかもしれないわね。」

「じゃあ、健二はいつか帰っちゃうの?」

「いや、帰る方法もわかんないし、とりあえずはここでいろいろ勉強するよ。」

「そろそろ時間も時間だし、シェス、健二君に部屋を案内させて頂戴。」

「わかりました、健二様、こちらへどうぞ。」


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「どうしよっかなー」

スマホの残り電池が72%になっている。発電器具を作りたいのだが、「こっちでの磁石の価格がわかんないからなー、あと金属加工の技術も。」

発電機は磁石と導線と鉄があれば作れるが、肝心の磁石がない以上、発電機は作れない。なら、、、、

「明日、木炭電池でも作ってみるか?となると、明日は街の方に行っってみるか。」

スマホで表示される時間は2028時だった。

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