ポゼッションモンスター

@MOArand

第1話

「さあさあみなさんお待ちかね、これより世界で一番科学が発展した島、アダルガモラ大陸での決勝戦が始まります」

実況者の演説が始まり、沢山の人々がはしゃぐ中、入場門が開くのを待つ両腕がなく年老いた男は静かに待っていた。


「まだワシは優勝し続けないといけない。 お前さんが戻って来るまで」


いよいよ試合の開始が始まり、閉ざされていた門は開いた。


年老いた男は門から出ていき、ステージの真ん中にある開始線まで行く。 相手の若き者は先に開始線に辿り着く。


「おじちゃーん、10年間もこの大会のチャンピョンとして居続けて居た意味ってなんなのさ」

「若い者は知らなくても良い」

「知らなくてもいいか…。 S級モンスターってこの世界に10体しか居ないんだってね。 ただもしかしたら、それより強いもっともっと強いモンスターが俺っちはいると思うんだ」


若き少年は、そういうと一枚のメダルを審判や観客、実況者に見えないように年老いた男だけに見えるように見せる。

そのメダルは普通のメダルの銀色とは違い、真っ黒の色をしている。


「おじちゃーんとの戦いはこのモンスターを憑依するからね。 だからさ」

若きものは年老いた男の顔に顔を近づけ、明るかった声とは違い冷たい声で言う。

「アダルガモラを憑依しろ」


年老いた男は審判にポケットに入ったメダルを3枚取ってもらい、そのうち2枚は銀色だが1枚は金色なのを右足につけたメダルを漂着させる機械に入れてもらう。


「やる気になってくれたんだね。 なら行くよ黒きドラゴンよ」



若き者のメダルを入れた機械が光り出した、その者の背後に黒きドラゴンが現れる。

そして、ドラゴンは体の中へと吸い込まれていき、彼の目は白眼が消え、全て黒眼へと変わっていった。 そして、背中からは黒い翼が生えて、天候までもが快晴だったのが、暗い空へと変わっていく。


「天候さえも変えて行くモンスターとは厄介だの。 黒きメダルそれが何なのかは知らんが、こちらも行くぞ。 アダルガモラお前さんの半分の力をわしにくれ」


年老いた者のその言葉に反応したのか、大地から光が溢れてきて、それは年老いた者の消えた両腕を復活させていく。 そしてその両腕が復活した時、大会開始のスタートが始まった。


「なら最初っから、全力で行きます」


若き者は、天高く飛び立ち黒くなった空に近づき、そこから彼は口から黒い炎のようなものを出す。


年老いた者もそこからジャンプしていき、黒い炎へと向かっていき、炎の中に突っ込んで行く。


「子供の頃、あの女性から授かったこの力。 それはお前らの悪からモンスターを守るため受け継いだ力だ」


年老いた男は、いつのまにか若き者よりさらに高いところにおり、そこから急降下していき、若き者の顔を殴り、彼を会場に叩きつけていった。


「まじ死ぬかと思った」


全身から血を流しながら若き者は立ち上がりそう言い、続け様にこう言う。


「S級モンスターは、島を作り出し人間を作り出し知能を与え希望を生み出し正義を生み出す。 なら俺らが持つこのメダルは島を滅ぼし人間を消し去り知能を退化させ絶望を生み出し悪を生み出す」

「何を言っておるのじゃ」

「あんたがアダルガモラを全部じゃなくても力の半分を憑依した時点で、俺らの目的は達成した」


突如として、島一帯でハリケーンが生み出されそれは巨大なものへと姿を変えて行く。


「貴様もしかして」

「奴らは蘇る。 これはその序章にしか過ぎない」


その瞬間島は黒い光に包まれ、その島をその後見たものは誰も居なかった。



僕はこの本を屋根裏部屋から見た時から、よく読んでいる。 この本に書かれたS級モンスターの中で目撃情報も無く、全くの謎のアダルガモラとS級よりもっと上のモンスターと言われる黒いドラゴン、それにとても興味があり、僕は今日成人になった今、青い鳥のプラと共にその本が本当なのか旅に出る。


「これから長い旅になるし、誰も信じて居ない物語でも、プラお前と一緒なら、長旅もへっちゃらだし、バカにされてもへっちゃらだから僕は」

「さあ、冒険の始まりだ」

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