17.

『相談したい事があるんですけど、今お時間良いですか』

 一日利香先輩と遊んだ日曜日が終わろうとする時間。部屋のベッドの上で、寝巻でごろごろしながら四ツ木部長にラインを送った。数分して返信が来る。

『利香のこと?』

 おや鋭い。

『何で分かったんですか! エスパーですか!』

『今日遊びにいってたんだろ。それに利香のこと以外の相談なら、利香にすると思って』

 成程分かられている。一人で苦笑いを浮かべた。

『で、相談って?』

『あのーですね、ちょっといいにくいんですけど』

 それだけ打って、一旦送信した。指が画面の上を彷徨う。

『利香先輩に恋しちゃってるんですけどどうしましょう!?』

 意を決して一気に打ち込み送信した。

 ああ、心臓がどきどきする。

『しってたけど、どうしましょうとは?』

 知られていた! え? 嘘? ほんとに?

『ちょっとまって、しってたって、え??』

『いや、だって、あんなキラキラした目で見てるの間近で見てたら、わかるよw』

 ええー! マジか!

『利香先輩にもばれてたり?』

『あ、それはない。ほかの部員もたぶん、憧れ強めくらいにしか思ってないよ」

 よっしゃセーフ! セーフ!

『で、どうしましょうってどういう事?』

 本題に戻される。うーん、四ツ木先輩の観察眼は侮れない。

『この気持ちを利香先輩にいいたいけど、引かれたらって思うと怖くて』

 返信まで少し間が空いた。四ツ木先輩も考えているのだろう。

『利香はそんなことで引くやつじゃないと思うけど、まあ気持ちはわかるよ』

『告白するって勇気いるしな』

 二つ目の返信に、おや、と思う。まるで、経験した事がある様ないい草だ。まあ、高校三年生にもなれば、初恋の一つや二つ済ませているだろうけれど。いや、初恋は一つか。……四ツ木先輩は、告白出来たんだろうか。

『四ツ木先輩も、にたような経験が?』

 また間が空く。いい難い事を訊いてしまったんだろうか。

『まあ、十八年も生きてればなw』

『おれのことより海堂のことだろ、どうすんだ?』

 はぐらかされた気がする。うーむ、しかしまあ、四ツ木先輩のいう通りだ。

『どうしましょう……』

 答えが出ないまま一時を回ってしまったので、その日は寝る事にした。明日帰宅してから、改めて相談させて貰う約束をして、スマホを置いた。

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