第5話 50にして天命を知る
正雄の死後、正人は生き方と言うものについて色々考える様になる
結果、60で仕事を引退しようと決め、それに向かって計画を立て動き出す
まず、老後の生活を安定する為に組織作りに、後継者作りとして、息子を職人の道へ、最初は息子もやる気を出し自分の看板まで出し仕事を熟していた。
でも、2年過ぎたころ、オヤジ、俺はお客に頭を下げ、すべて自分の責任の下熟す器量は自分にはない、俺は指示を受け動くサラリーマンタイプ、確かに息子は職人気質ではない、分かった、お前の好きな道を行け、正人は認め後継者として息子を断念した。
その時、甥が職人に成りたいと正人の姉さんと共に訪れる。
甥っ子は、色んな職を転々として建築の経験もある、20才で結婚し、正人のとこへ来たときは3人の子持ちで27才に成っていた。
家庭持ちなら独身と違い、気合が違うだろうと正人は甥っ子を弟子につけ
今から、3か月で俺から独立しろ、自分で起業して家族を養へる様に俺が育てあげる、と告げ甥っ子に夢を託す。
2か月もすると、正人の家計の血筋か覚えが早く頭の起点も早く簡単な現場は甥っ子に任せられる様に育った。
並行し、甥っ子の独立後の仕事の確保などに努め、無事、3か月で独立させ自分の子会社的存在で組織作りを進めていた。
他の職人からも妬みを買うほど売り上げを上げるほどに育ち一人前の親方に
これで一安心、でももっと人を育てなくては組織は成り立たない。
そんな矢先、正雄の3回忌が近づき、正雄の事を思い出すことが多くなる。
妻、明子とそんなことを話して思い出に慕っていた、命日も近いある日のこと
正人が脳卒中に倒れる。
正雄が迎えに来たのか、正人は心で、正雄にまだ早い、俺はお前の分まで生きなきゃならない、と呟き出直して来いと今は亡き友に投げかけた。
そのおかげか、正人は命を繋ぐ事が出来た。
しかし、左半身麻痺が残り仕事からは引退した、組織作りの最中、まだ甥っ子だけ、食べていけるほど出来ていない。
お得意さんにも事情を説明しする,すべて甥っ子に譲渡し廃業と言う選択をする事に、趣味の釣りの付き合いも含め甥っ子が引き継いだ。
正人は思う、この世は風に流れる雲の様だ。
生まれては色んな形に変化し、やがて、消えゆく。
人生と同じ、色んな風が吹き、色んな経験、体験を経て大人へと成長し変化する
そして、何れ消える。人間の人生と同じ
力まず自然に任せ逆らわない生き方に 正人の気付き 「上善は水の如く」
争わず、競わず、目立たず、と言う思考に切り替えた、正人、今 還暦を過ぎ穏やかな老後を明子と共に暮らす。
風雲の如し 葉隠 如水 @k-masa
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