第4話 友 逝く 40代
正雄と正人はお互い、順調に事業を為し、娯楽にも勤しんでいた。正雄はバイクの免許を大型へ取り直すため、学校へ通う、以前、免許取り消しを受けていて、そこで県内で一番勢力のある組の本部長と出会う、正雄も元やくざ、お互い、意気投合しよく飯に行く仲に、ある日、正人が趣味である、釣りで正人が大物のクエを釣り,正雄に魚をあげた、魚を貰った正雄は店で捌いて貰い宴会をすることにして予約を取り、お食事会を、その店には魚をあげた正人家族とバイク仲間の本部長(組長)も呼ばれていた、部屋を開けた正人は驚いた、その組長は正人の釣り仲間、大物のクエを釣り上げたその時も、一緒に釣りに行っていた。縁とは不思議なもの、組長は、二人より1つ上、お前らは友達か、その場は和み、夜遅くまで宴会は続き、3人は益々付き合いを深めていつた。組長はバイクより釣りの方にのめり込み、週末は正人と居ることが多い。ほぼ毎週、何処かの磯へ磯釣り、主に底者と言われる石鯛釣りに、船でのクエ釣りとかを好んでした、お金もかかる。
ある日、正人の中学の幼馴染みで友達が悩みを相談してきた、内容は、妻の浮気である、相手を刺そうと思い、包丁まで用意し車の椅子の下に何時も置いているという、だが子供の事を思うと犯罪者の子にしたくない、悩んでいる、翌日、本人からもう俺は大丈夫、と明るい電話連絡に正人も一安心、その3日後、その友人、幼馴染みの友は自殺、車の中で、自分の手首を何時も隠していた包丁で切り、まだ生きたかったのだろう、のたうち回ったのだろう顔はそこら辺の石で傷つきエグレている個所も、最後は観念したかのように座席に座った状態で亡くなつていた。死に顔を見た正人はやり切れなくて奥さんの下に、すでに離婚していたらしく関係ないと言われ、相手の男を探し話し合いを求める、相手は脅かされていると思い、会おうとはしないので警察の前で会おうという約束、しかし現れずそのうち姿を消す、方や奥さんは、保険の受け取りだけは変えず、今だ受け取りを自分にしていた、保険の受取額5000万、友人の親は葬儀などのお金に苦労した様で、息子を亡くしたうえ保険金は取られ、元妻を憎んでいた、正人に親御さんが愚痴をこぼす、少しだけでも保険金を回してくれたら良いがと、今からも法事をせねば成らずお金がいる、俺達は僅かばかりの年金暮らし、肩を落とし老夫婦はうつむいたまま、改めて元妻に憎しみが沸いた正人は元妻の両親の元へ、お願いです、少しで良いので貴方も親なら分るでしょう、子を亡くした親の苦しみが、でも、元妻の父親はお金は上げられない、君には関係ないと追い返す。何故か、裏で右翼団体の男を使い保険金が取られないように、元妻の父親が仕組んでいた、この父親は元町会議員、しかも情がなくやり方が汚い、これに怒った正人は知り合いを使いこの右翼の男を探し、責めこんだ、そしたら、この男とも元妻は関係を持っていた、右翼の男はこれ以上関わらないと約束、だが今度は、弁護士を雇い、払わない工作、是では何もできない、相手は、県の弁護士会の会長、1円も取れず仕舞い、その後、友人の両親も他界し、他所に嫁いだ妹が1人、今は幸せな家庭を築き家族円満な暮らしをしている、、我々男は強がってはいるがの内心は弱い、男は見栄っ張りで弱い生き物だと正人は思った。しかし、女は強い、良くも悪くも。
自分の女房、家族の悪口を言われたくない一心で隠し通す男心、平気で浮気し開き直る女心、時間が癒す、正人も落ち着いてきた数か月後、今度は正雄が警察に。
土木工事の談合らしい、他の業者は認めたと言われ正雄にも認めろと迫る、しかし正雄は知らないものは知らないと認めない、只一人逮捕を免れ帰宅、頭に来た正雄帰りに足に違和感を感じる、何もない所でつまずく、翌日病院へ結果、くも膜下出血、見た目には麻痺は見えなし何も分からない、足の感覚がない様で、針を刺しても感じないと言う、ある日、庭を歩き駐車場へ行こうとスリッパをはき歩いていたら、いつの間にかスリッパが脱げている、本人もきずかず小石の上を何もないかのように歩いていた、生活には不自由はない、いま迄どうりの正雄、酒、たばこ、女遊び何も変わらない、周りの皆もいま迄と変わりなく付き合う、みんな、脳卒中に何も知識などない、怖いものという認識がないのである、医者からは、今の生活では3年の内にまた起こしますとの助言、アドバイスが、だが正雄は変えない、困ったものだ。
正雄の妻、亜紀 正人の妻、明子 正雄の妻、亜紀は美人で頭の回転も良く、会社の経理をしている。正人の妻、明子は正人と一緒に現場で働き日焼けで色も黒いし、体格もでかい(昔の面影なし)頭を使うタイプではない、脳なき者は汗を出せと言いながら、日々肉体労働で励んでいる、しかし、この明子、余りに正人に尽くすためか、金がなくても正人が恥をかかないようにと出してしまう、その為、正人に内緒で借金を作り夫婦仲が悪くなる、でもこの明子、正人の周りの人から、面倒見が良く慕われている、正人も自分のせいでもあるので、明子を強く責められず、元の中の良い夫婦に戻り、明子を許し、その後一切、仕事のお金も生活全般を明子に任せ、口出ししない、、正人は趣味の釣りもほどほどにして、明子を信じすべてを任せることにした。
正雄と正人、2人も50前に成っていた、もう正雄には孫がいる、まだ若い時、正人の息子が正雄の入れ墨に、おじちゃん体にお絵かきしてはダメよと言って、消しゴムで消そうとしたことがある、懐かしい思い出、その正雄が朝、仕事に行くと告げ、女の所で倒れた、医者から告げられた3年目だ、女から病院へ運ばれ正人が見た時は管だらけ、亜紀は先生に延命治療を頼んだと正人や友人たちに告げた、と言う事はもうだめか、正人は覚悟して病院を去る。帰りに別の友人と偶然出会う、今この病院に入院してると言う、彼も妻と別れ、一人になり鬱状態で個人で営んでいた店も閉じ、家も人手に渡り今では、アパートに篭り誰とも連絡を取っていないという、5日後、正雄が逝く、15で知り合い、もう、45年の付き合いで本当の親友ともいえる、お互い、似た性格で互いの事が分かる仲の良い2人だった。実は、亜紀は浮気していた、正人が一人で地元の店でのんでいる時、店に来たお客が亜紀の事を話していた、そのことで、その夜、明子に相談した正人、でも明子は驚かない、明子が言うには、もう何年も前からで明子は正雄の性格は分かつているので、亜紀に辞めろと何度も言っていたという、正人には言えなかったらしい。知らなかったのは正人だけ、周りの人たちは皆知っていて有名な話という。
正人は亜紀に電話、友の名を貶すようなことはしないでくれ、亜紀が何をしようと構わない、男と付き合うのもいい、もう後家さんだから、でも、隠れて会って周りにバレない様にせめて俺の耳に入らないようしてくれと頼む、だが亜紀から帰つてきた言葉は、正人さん、貴方は私に自分の事は棚に上げ偉そうに言えますか、正人何も言えず、正雄のいない家族とは、縁が切れる、毎年、正雄の命日、正人夫婦は、亜紀の家にはいかず、お寺にお参りに行く。
正雄の見舞い帰りに会った友人もその後、一人アパートで孤独死していた、焼酎の空き瓶に埋もれ地区の民生委員に発見され、彼も奥さんから別れを告げられた男、50前で3人の友を亡くした。
皆の共通点は奥さんからの裏切り、夫婦関係の信頼が無くなった結末。
亡くなる前、正雄の頭にハゲが出来ている時があったのを思い出す、正人は俺の方が神経質なのに俺にはハゲも出来ないと言って笑った事がある、今思えば、その時すでに亜紀の浮気に気付いて悩んでいたのか、正人にも夫婦の恥として相談できず。何も知らない正人だから正雄も明るく付き合えたのだろう。
正雄は亜紀の相手から多額のお金を取り2人を別れさせていた、正雄が裏で色々自分の家族の為、動いていたのが、正雄の死後正人の耳に入る事に。
友の死を見て、夫婦の在り方,家族、何をどうすれば幸せか、正人は考える様になっていく。
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