第2話『江戸時代を支えた幕藩体制』
『江戸時代を支えた幕藩体制』
長き江戸時代の260年間を支えたのは『幕藩体制』にあったと言っても過言ではない。豊臣から徳川時代への家康の後世への布石も清州の大御所時代に江戸幕府の骨格を形成し、秀忠から家光に継承するにつれて、江戸幕府の幕閣による幕藩体制が徐々に形成されていった。江戸幕府の成立時に親藩=徳川一族。普代大名=関ヶ原以前からの徳川家康の家臣。外様大名=関ヶ原以降からの徳川家に仕えた大名に色分けと格付けが幕政に大きな発言力と地位が決められた。また徳川家を直接の幕臣として一万石以下の将軍に御目見え以上の家臣団が徳川幕府の「近衛兵」として江戸の城下町に布陣・配備されていた。徳川の軍旗を守る武士団の指名を帯びていた。その後幕政を司る重職として「老中から大老」への幕閣の中心と成す組織が出来上がっていき、将軍の特別秘書としての「側用人・御用取次」が作られ大名以下の小姓から取り立てれ抜擢された場合もあった。大老・老中や重職になる前には「京所司代」「大坂城代」「寺社奉行」「奏者番」の経験を経て幕閣に起用・推挙される場合が通例であった。また幕藩体制の維持こそが長き260年間を継続させた「参勤交代」で大名に将軍家に忠誠と謀反を起こさせないシステムを構築した。また将軍家の後継者難の緊急避難の妙手として「御三家」を設置し、万が一の後継者補充に万善を尽くさせた。江戸幕府成立時には幕藩体制が確立されておらず、藩政自体、旧豊臣系家臣の藩士の一掃と組み込み融和が図られたが、一部農民に紛れ込み一揆が頻繁に起きた。また幕藩体制の象徴的士農工商の構築は地方の農民と江戸・京都・大坂の機能しておらず、藩政の財政難に検地見直しによって税制の増税に農民一揆が繰り返された。幕政による藩政への負担は重くそのまま民・百姓に転化され、直訴や駕籠訴をもって中央にその困窮を捨て身で訴える例は少なくなかった。また藩政を揺るがす、お家騒動は主に江戸時代における諸大名家に限定した事変である。そこには家督相続をめぐる争いや、権臣間の争いや、家臣の主権争い、藩内の紛争から藩政が不安定になって動揺したところに、幕府公儀の介入を招き改易され、外様大名の取り潰しの口実を作ってしまった。秩序回復のために幕府の裁可に当たって争論には立ち入らず安定策を示した。内訌の規模が小さい旗本や商家、農家におけるもめごとはお家騒動とは認知されていなかった。内紛、抗争の原因として最も多いのは、家臣間の対立である。また、藩主と家臣団の軋轢を要因としてお家騒動を起こした例もあった。有力な家臣を排除することで自身の権力を強化しようする藩主がいる一方で、家臣にとって不利益だったり、無能な主君を隠居や押込などの手段で廃立しようとする家臣も存在した。このようなお家騒動によって改易、転封、お家断絶など頻繁に起きた。その他、富士山の噴火や地震、飢饉などが起き、江戸幕府260年間に教科書に載っていない事件、紛争の事項を時系列に追ってみた。
◆1608年(慶長13年)筒井騒動。◆1612年(慶長17年)越前騒動。◆1617年(元和3年)最上騒動。◆1633年(寛永10年)黒田騒動。◎1637年(寛延4年)島原の乱(島原天草一揆)が起きた。◆1639年(寛永16年)会津騒動。◉1642年(寛永19年)寛永の大飢饉。異常気象。◆1660年(万治3年)伊達騒動。▲1657年(明暦3年)明暦の大火。▲1660年(万治3年)万治の大火。◎1677年(延宝5年)郡上一揆が起き、◎1726年(享保11年)美作津山八千人暴動が起きる。◉1732年(享保17年)享保大飢饉。◎1739年(元文4年)元文一揆。▲1724年(享保9年)享保の大火。害虫と冷夏。◆1748年(寛延元年)加賀騒動。▲1772年(明和9年)明和の大火。◆1773年(安永2年)七家騒動。◎1781年(天明元年)絹一揆。◉1782年(天明2年)天明の大飢饉。火山による天候異変。◎1793年(寛政5年)武左衛門一揆。◎1804年(文化元年)牛久助郷一揆。▲1806年(文久2年)文化の大火。◆1811年(文化8年)白黒騒動。◆1824年(文政7年)仙谷騒動。◉1833年(天保4年)天保の大飢饉。大雨・洪水と冷夏。◎1836年(天保7年)天保騒動。◎1838年(天保9年)佐渡一国一揆。◎1842年(天保13年)近江天保一揆。◆1849年(嘉永2年)お由羅騒動。◎1847年(弘化4年)三閉伊一揆。
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