ポテちゃんとお目目
十年前くらいに右目が緑内障だと発覚し、今でも治療をしている。緑内障は治らないので、死ぬまで治療はやめられない。
元々、左目が小さい頃から弱視で斜視だったから、ずっと眼科に通っていた。手術もした。そしたらある日、左目の定期検診の際に「弱視持ちだと緑内障とかの恐れがあるから検査しよう」って言われて、検査してみたら、右目が緑内障だった。
アイドルオーディション受ける友達の付き添いで行ったら、自分が合格してしまった感じでその日から右目が緑内障だと言うことになった。
最初は「もしかしたら生まれつき、見えてない箇所があるのかも?」と言われ、再検査とかしたが、やっぱり緑内障だねぇ〜となり、今日まで治療をしている次第です。
緑内障って失明するってイメージの人が多いと思いますが、実際はそんな失明しないし、スグに目が見えなくなるって病気ではないのです。
本当に徐々に徐々に視野が欠けていって、そのまま見えなくなるって感じで、治療をしていたら死ぬまで視野が確保される人がほとんどだと言うらしい。
その緑内障の治療で何が辛いかというと「視野検査」ってヤツなのよ。アタイ、明明後日にやるんだけど、これが憂鬱で憂鬱でたまらない。
なんか、真っ暗な部屋入れられて、その大きな球体の中を除いて、光ったらボタン押すってヤツなんだけど。で、これで光が確認できなかったらその光の部分の視野が欠けているってわかるのだ。
これが、ガチで辛い。五、六分くらいずっとアゴを硬い台の上に乗せて、目も動かしちゃダメだし、顔も動かせないで、ずっと光を探す。
しかも、これを左右で一回なんで、合計で十五分くらい。
しかも、緑内障は視神経が死んでしまうから、良くなることはなく、現状維持が最高。要するに検査結果を聞くまでの憂鬱さが半端ない。
しかも、人間の目は基本、寒くて乾燥している冬に弱いので、冬は悪化している確率が高い。
しかも、この検査。その日の目の状態によって結構、結果が左右されるんで「だいたい、これくらいかなぁ」って予測も立てられない。という、もうストレスが溜まる要素しかない。
しかも、人間の目って、とても繊細で気分とか感情で目はスグ悪く。
もう、ここ二週間くらいずっと憂鬱なのよ。「なんとかこれをやらないで済む方法はないか?」と考えてるけど、先延ばしした所で何にも変わらないわけだ。
「悪くなってたらどうしよう?」って悶々としている時にふと思ったのだ。
元々、アタイの緑内障ってたまたま見つかったんですよ。
左目の定期検診に行ったら、たまたまその日、担当の先生が休みで別の先生になってて「たまには、こう言う検査してみましょう」ってなんか知らないけど言われてやったら、見つかったって言う。
もし、あの時、たまたま見つかってなかったら十年後の今、多分、今よりはるかに悪くなってて、どうしようもない事になっていた恐れすらあるわけ。
てか、アタイの性格を考えたら、多分、視野かなくなってきても「疲れてるだけや」って言い続けて、もう取り返しのつかない所まで行ってしまってる可能性すらあった訳だ。
多分、いつもの先生だったら「はい、また今度」ってそんな検査しないで終わった可能性すらある。
アタイの左目が弱視じゃなかったら、緑内障なんて見つからずに失明一直線よ。
緑内障の初期って自覚症状ないし、中期に入っても疲れ目で視野がぼやけてるのと変わらないから、一般の人が発覚するのって末期になってからなのね。
そう考えると、俺は凄い確率で見つかって幸運だった。と思ったら、少しだけ気が楽になった。
てか、あの時、見つかってなかったら今頃どうなってたんだ、マジで?
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