ポテちゃんと1200円で買ったパワプロについて
「どん底終わるより一夜の王でありたい」
有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMERという芸人がいる。何でアタイのMacBookには有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMERしか入ってなくて、肝心の名前はない様なので、この回の有吉の本名は有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMERで行くことにする。
めんどいし。
今やテレビで見ない日はないこの爆弾岩、がんもどきに奇跡的に顔ができた男、二重の石破茂、数々の異名を十秒で三個も思いつくこの男。猿岩石で一世風靡して一発屋として一度芸能界から消え、それから十年後に奇跡的な復活を遂げて、そのまま今の地位まで上り詰めた。
まるで口から飲み込んでケツから出てきたウナギを上下逆に見たような成り上がり。
今の有吉をアタイは好きでも嫌いでもない。「売れてるなぁ」と思うだけの別段興味も湧かない芸人だ。
IPPONーONEとかでも無難な答えしか出さないし、完全に守りに入ってるなぁと思って見ている。まぁ、芸人って守りに入るために頑張るわけだから、今の有吉というのは芸人の憧れる姿なのだろう。
有吉が復活した夜を知っている人はあんまりいないと思う。
品川にお喋りクソ野郎ってあだ名をつけて、あだ名芸人としてブレイクするより五年くらい前に有吉は全く売れていない。
売れていないくらいならまだマシで、一度、猿岩石としてブレイクして一発屋として完全に消えたというレッテルを貼られていたから、尚更タチが悪い。
当時、一発屋で消えた人間は二度と売れることはないという強力なジンクスが世に蔓延っていた。
タレントからしたら末期の癌くらいに厄介なレッテルを貼られ、当然有吉には仕事なんかない。
そんな有吉に千載一遇のチャンスの電話がかかってくる。『内村プロデュース』の中の企画、芸能人すごろくっていう企画で、これからふかわりょうの家にウッチャンとかさまぁ〜ずが行くから、有吉、ふかわの部屋で何かしてろ。
スタッフからの突然の電話。当時、仕事なんか何にもない有吉はとにかくダッシュでふかわの家に向かう。
そして、何のアイデアもないが、もうこのチャンスを逃したら……有吉はとにかく爪痕を残そうと、ふかわりょうの家の風呂場を泡まみれにして、自分もそこでシャワーを浴びているというギャグを披露する。
さらに泡まみれのままふかわの家のリビングで暴れ回るという暴走を見せて、ウッチャンは大爆笑。
その千載一遇のチャンスを掴んだ有吉。
その数週間後の内村プロデュースにも呼ばれる事となる。噂によると、ふかわ宅のネタが面白かったのでウッチャンが「有吉、この前、面白かったから呼んでやろうよ」と収録が始まる数時間前にスタッフに言ったとかどうとかと言われている。
とにかく千載一遇のチャンスを掴んだ有吉は今度はスタジオ収録のゲストとして内村プロデュースに呼ばれる。
その回というのが『若手芸人下剋上をプロデュース』ってやつで、当時、勢いのある若手が内Pチームと色んなことで戦うという企画だ。
で、この2004年くらいの当時の若手で呼ばれたメンバーというのが「おぎやはぎ」「バナナマン」「劇団ひとり」あと、いたかどうか微妙なのが「ドランクドラゴン」の面々。
で、有吉はというと、なぜかおぎやはぎ達とほぼ同期なのにも関わらず、内Pチームの一員としての参加となった。
またその日の当日に呼ばれたものだから、その日の収録の有吉はメイクもしてないし、衣装もなく私服のままテレビに出るという有様だった。
しかも、内Pチームで一番の若手にも関わらず、さまぁ〜ずよりも司会のウッチャンに近い位置に座らされての大喜利コーナーが始まるという感じだ。
これはどう言う事か説明すると、内村プロデュースの立ち位置というのは、まず、ウッチャン。
で、次に内Pの正式レギュラーの三村。
で、三村の相方の大竹(大竹は毎週出ていたけど、実質毎回ゲスト扱いで、レギュラーはあくまでも三村だけなのです)。
で、その時に変動があるTIMとかの中堅コンビ、最後、内村から一番遠い位置に三村と共に正式レギュラーのふかわりょう。
実は、内村プロデュースの正式レギュラーは、ウッチャン、三村、ふかわの三人だけなのだ。
で、話は戻るが、当時、有吉の座り位置は、三村よりも内村に近い位置。これは大抜擢ではなく、当時、滑りキャラのふかわが反対側の端にいるわけで、有吉とふかわで滑りキャラを離した状態にしてあるのだ。
要は、誰も有吉になんか期待していない状態。変なことしたら、すぐにウッチャンと三村で処理する為にそこに座らされているわけだ。
どうせ滑るからという舐められた状態の有吉の視線はずっと一点を見ている。それは向かいのおぎやはぎ、バナナマンたちである。
当時から期待の若手と言われて、腕も人気もある。もう、終わったレッテルを貼られた有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMERとは違う希望に溢れた将来が約束されたエリートだ。
もう、正直、その目つきが完全にイカれているのだ。多分、その時の有吉に包丁を渡したら、おぎやはぎもバナナマンも劇団ひとりも多分、この世にいないと思う。
もう完全に殺す目で睨みつけているのだ。嫉妬や劣等感が入り混じった何ともいえない表情で、完全にテレビに出ちゃいけない人の顔をしている有吉。
最初のコーナーの大喜利が始まる。
ウッチャンが大喜利の問題を読み上げた直後、たった一人、スッと手を挙げ流人物に、そのスタジオの全員が同じ顔で硬直するのだ。
は?
有吉が正気の沙汰ではない顔で手を挙げている。
他に誰もあげていないので無視するわけにはいかないので、ウッチャンも動揺しながら有吉を当てる。
向かいに座っている、おぎやはぎやバナナマンたちはヘラヘラ笑って有吉を見ているのだ。
「こいつ、大喜利なんかできんの?」
もう、スタジオの凍りついた空気から、全員が有吉を見下しているのが伝わってくる。
が、有吉がフリップを出して、答えを言うとスタジオの空気が一変する。
大爆笑。
もう、その瞬間、その場にいた全員の有吉を見る目が一瞬で変わるのだ。無理もないのだ。
その場にいたのは、内村光良、さまぁ〜ず、TIM、ふかわは置いといて、おぎやはぎ、バナナマン、劇団ひとりだ。
十五年経った今でもお笑い界のトップに君臨している一線級の芸人だ。答えを一つ聞けば「こいつ、とんでもねぇぞ」と分かるのである。
が、有吉は全然表情を緩ませない。大ウケした直後、また手を上げる。そして、答える。
すると、また大爆笑。たった二つの答えで、有吉はその場の芸人の評価を一変させたのだ。
「有吉、面白いじゃねぇかよ」とウッチャンが思わず声に出してしまうくらい。とにかく、有吉はその日の大喜利で一番のインパクトを残して終わる。
その日以来、有吉は内村プロデュースの準レギュラーとなって定期的に番組に呼ばれるようになる。
で、それが評判となり、色んなバラエティにもゲストで呼ばれて、再ブレイクを果たすのです。
が、アタイが見ていて一番、有吉が凄かったのはその大喜利のコーナーではなくて、なんか最後にやってた『普通の相撲対決』ってコーナーなのだ。
内Pチームの先鋒として出てきた有吉の相手はバナナマンの設楽。その相撲はもうほぼ喧嘩。有吉の方が一方的に設楽に攻撃を加えていくと、設楽も反撃し始める、なんか相撲っていうか喧嘩。
有吉の「コイツらにはウンコの早食いでも負けるわけにはいかない」という気迫。
有吉がどれほどの思いでその収録に出ていたかが伝わってきて、スタジオドン引き。やべーよ、睨んでるよ。
たまに、YouTubeに落ちてるから、見てみると良いよ。
アタイはあの時の有吉が好きです。
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