第6話 新たな紋章
私は夢を見た
お母さんが死んでしまう夢。
そしてその直後にお兄ちゃんに助けてもらう夢を…。
…ここは…?
どこなの?
私は一体…。
見渡してる私に1人の女の子が話しかけてきた。
こんにちわ。彩音さん。
え?こ、こんにちわ。
なんで私の名前知ってるんですか?
お兄さんの記憶からあなたの家族の事を読み取ったの。
よく似てるわね。
よ、よく言われます…。
ねぇ。ここって何処なの?
お母さんやお兄ちゃんは?
…貴女のお母さんは亡くなったわ。
現実に戻った時にお兄ちゃんに確認してみることね。
え…
その言葉と同時に彩音は唖然とした顔をしてこちらをみていた。
まぁそんな顔をするのは当然ね。
でも死っていうのは突然やってくる事もあるの。
それを覚えていてね。
そう彼女は口にすると姿を消した。
お母さん!!
その言葉で彩音は飛び上がった。
その行動に驚いた翔太は直ぐに安心してナースを呼びに行こうとした。
え…お兄ちゃん…ここは?
近くの病院だよ。
お前が家の庭で倒れているところを助けたんだ。
でも病院ってより緊急に使うテントの中だけどね…。
そっかぁ…と言う言葉を口にして一安心する彩音。
しかし次の瞬間母親の最期の言葉と行動がフラッシュバックのように蘇ってきた。
ね、ねぇお兄ちゃん…お母さんは『死んじゃったの?』
恐る恐る翔太に聞いてくる彩音。
…なんで彩音そんなことを聞くんだ?
夢の中であるお姉さんに言われたの。
だからそれを確認したかった。
でも答えは分かってる。
私だって…も…もう…子供じゃないんだ…。
そうだよな…うん。
ごめんな。俺に力がないばかりに…。
その言葉を聞いた彩音は一気に泣き崩れた。
ヒックヒックっと静かに泣いた。
泣いている彩音に翔太は抱きしめることしか出来なかった。
彩音を抱きしめている時に翔太は1つ気になったことがあった。
それは彩音の手の甲だった。
なぁ彩音そういえばお前、夢の中で女の子に会ったって言ったよな?
うん。あったけどなにもされてないよ。
お兄ちゃんどうかしたの?
なにもされてないけど会ったか…
なぁ彩音この紋章って見えるか?
そう言いながら彩音に自分の獅子座の紋章が付いてる手の甲を彩音に見せた。
え…す、すごい…こんな綺麗な星座の形をした刺青?紋章みたの初めて!
…やっぱり彩音にも見えちゃうのか…
これは普通の人には見えないらしい。
前に母さんに見せた時に確認してるんだ。
そ、そうなんだ…。
私もどっかにそんなの付くのかな…。
そう言いながら自分の体を見渡していると突然彩音の左手の甲が光った。
うわぁ…こ、これはまさか!?
翔太の予想は当たってしまった。
光が収まったと思ったらなんと、妹彩音の左手の甲には牡羊座アリエスの紋章が刻まれていた。
え?なにこれ!
わ。私にはお兄ちゃんとは違う星座の紋章が付いちゃった!え?なんで?
…恐らく母さんからの最期のプレゼントだ。
お母さん…。
しゅんとしていた2人。
しかし2人の甲の光は強くなっていた。
強くなっていくうちに2人はその光に飲み込まれ気を失っていた。
2人は同じ夢を見た。
いや、正確には意識だけが共有されていた。
これで…2人目ね
2人目?どうゆうことだよ!
それよりなんで俺らが起こることが分かるんだよ!
え?どうゆうこと?
お兄ちゃんはこの人知ってるの?
いや、正確には分からないけどずっと夢の中に出てきていた。
なんで?
それは俺にも分からない。
ただ推測だけどこの女が言ってることは現実になっている。
それしか俺には分からない。
そうね…では私の事をほんの少しだけ教えましょう。
そういうと彼女は両手を前に出した。
うぉ…紋章が。
光ってる…。
私の名前はパラス・アテナって言います。
翔太貴方ならこの名前分かるわよね。
翔太はその名を聞いて驚いていた。
な…なんで…そんなバカな!
お前はもう死んでる人間だろ?
え?じゃあお化け…?
私は人間であり人間ではない。
死んでるのは確かに事実です。
しかしお化けともまた違います。
今の私の意識は遥か昔に封印されています。
そのため今のこの意識は思念体に過ぎない。
でも、未来のことを知っている。それもまた事実。
結局未来人ってのは変わりません。
それを聞いても2人は唖然としてた。
それともう一つの事実です。
ここは夢の世界ではないのです。
ここは私の星メインベルトと言う名の小惑星です。
あなた方をの意識だけをここに移動させることが出来るだけです。
そんな馬鹿な…。
じゃあなんで俺たちなんだよ!
それは黄道12の星座に選ばれたからです。
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