発電所突入(龍野視点その2)

 十五分後。

 発電所内に戻った龍野達は、救助した二人の素性を問うていた。

「で、そういう経緯で来た、と。ゾンビ女」

「ゾ・ン・子!」

「へいへい、わかったわかったゾン子。ヴァイス、後はよろしく」

「わかったわ」

 龍野はゾン子の話を聞き終えると、幼女を見た。ゾン子への尋問は、ヴァイスが引き継いだ。

「それじゃ……」

『龍野君、貴方のあるじは私だけのはずよ? けれどしゃがむだけなら、いいわよ(可愛いのは確かだけれど、ちょっと嫉妬しちゃうわ。どうしてかしらね)』

 ひざまずこうとし、ヴァイスに止められる。

 龍野はしゃがみ直し、目線を出来る限り幼女に合わせた。

「俺は龍野。須王龍野だ」

「すおう、りゅうや……」

「おっ、ようやく喋ってくれたな。それじゃ、君の名前を教えてくれないか?」

「な、まえ……?」

 戸惑う幼女。

『どうやら、名前が無いみたいね』

『付けてやるか?』

『ええ。それがいいわね』

 ヴァイスの言葉を受け、龍野は思案した。

峰華みねか……君の名前は、今日から峰華だ!」

「みね、か……?」

 首をかしげる幼女改め、峰華。

「そうだ。君の名前だよ」

 龍野が微笑んで、峰華に話しかけた。

「みねか……!」

 峰華も笑顔を返す。

「よかったわね、峰華ちゃん。それじゃあ、ついて来て?」

 ヴァイスが峰華を促し、後を追わせる。

 そんな微笑ましい光景に、ゾン子は納得が行かないようだった。

「おい待てお前ら、アタシを忘れんな!」


     *


 7人に増えた龍野達一行は、巨大な扉の前にいた。

「いよいよ、ここか……!」

「全てを終わらせるわよ、皆様……!」

「ええ!(ハナダ様……!)」

「ハナノ様、扉を開けられますか?」

「お任せください」

 ハナノが扉のロックの解除を試みる。

「終わりました。間もなく、自動で開きます」

 三十秒後、龍野達の近くに戻るハナノ。

「それじゃあ、先に行くぜ。ハーゲン」

 龍野達は開いた扉に足を踏み入れ、前を見続けて進んだ。



現在の龍野の撃破スコア……259体(259,000点)

※戦闘が無いため、変動無し


騎士突撃槍銃アサルト・マシンガンの残弾(途中経過)

※弾薬を消費していないため、変動無し


      マシンガン…… 175 + 200×2 発


      グレネード…… 1 + 3×2 発



作者による追伸


 有原です。

 最終決戦と行きたいところですが、ハーゲン一行の活動がまだまだ残っておりますので、少々お待ちくださいませ。

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