マトリョーシカな悪夢(最序盤)

「これよりあなた方には、わたくしの指揮下に入っていただきます」

「「はっ!」」

 ヘリのパイロットとサブパイロットは、嬉々とした表情でヴァイスの命令を了解した。

(まあ、相手はだ。舞い上がるのも無理はねえ)

 龍野はしげしげと、パイロット達二人を見つめていた。

「で、どうするよ?」

「慌てないで、須王卿。ようやく、回収した資料を読むことが出来るのですから」

 改まった口調で告げるヴァイス。異空間からファイルを取り出し、ヘリへと歩く。

「お借りしてもよろしくて?」

「はっ、もちろんでございます!」

 パイロットとサブパイロットは揃って敬礼し、「承諾」の意志を見せる。確認したヴァイスはヘリに腰かけると、資料を読み始めた。

「ヴァイス、弾もらうぜ」

「ええ、自由に補給してちょうだい」

 龍野も龍野で、マシンガンとグレネードの弾薬を補給していた。


 十分後。

「各サイボーグの種類、それに弱点は暗記したわ」

「流石だな。新型が出たら、ナビゲート頼むぜ」

「ええ。では龍野君、一度地上に降りてちょうだい」

「ああ」

 ヴァイス達四人は、指揮用のコンテナに入る。

 その様子を確認した龍野は、黒騎士に変身。エレベーターで一階に向かった。

「うわあ、大型や飛行型、それに今までのやつがいるわいるわ。もうこのオーロラの内側は、猛獣だらけの闘技場じゃねえか」

 龍野は降下しながら、シースルーとなっているエレベーターの内側から状況を把握する。

 同時に、マシンガンを構えた。

(仕掛けるなら、容赦はしない……!)

 途中で飛行型(R型)が龍野を目視するも、何もしてこなかった。

(どういうつもりだ、あの機体……?)

 しかし、龍野が一階に到着した直後。


 エレベーターの扉が、小規模な爆発の連続で破壊された。


(骸骨頭……!)

 引き金を引き、応射する。あっさり撃破されたN型。

 しかし、龍野は驚愕した。


 1階のロビーホールを埋め尽くす数のサイボーグが、巨大な怪物のごとうごめいていたのだった。



現在の龍野の撃破スコア……39体(39,000点)


騎士突撃槍銃アサルト・マシンガンの残弾(途中経過)


      マシンガン…… 190 + 200×3 発


      グレネード…… 3 + 3×2 発



作者による追伸


 有原です。

 再度の連絡となりますが、2話に姫様(ヴァイス)のステータスを追加いたしました。

 よろしければご一読くださいませ。

URL: https://kakuyomu.jp/works/1177354054886380821/episodes/1177354054886440743

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