vs"G"(中編)

「そこか。見つけたぜ!」

 龍野は飛翔状態に移り、素早く警察署前の一体を排除しようと行動に移る。

 引き金を絞り、すぐに離すという動作を繰り返す。ドドッ、ドドッという音が響いた。

「こいつも持っていけ!」

 ロケットグレネードを放ち、装甲を熱と爆圧で弱体化させる。

「おかわりだ!」

 更に引き金を引き、ドドッ、ドドッという音が再び響いた。

 再び装甲が削れる。接近しながら射撃していたため、距離が近くなり、結果威力が多少増した12.7mmが黄金のサイボーグを襲った。

 一旦通り過ぎた龍野だが、マシンガンを異空間に収納すると、大剣を召喚した。

「接近戦で排除する!」

 だが、黄金のサイボーグも察知したのだろう。

 ハンマーを構え、迎撃態勢を整える。

「いくぜ。どっちが上か勝負だ!」

 飛翔し、素早く攻撃に移ろうとする龍野。

 それを迎撃しようとする黄金のサイボーグ。

 金属音が響いた。果たして――


 黄金のサイボーグの首が、胴体と分離した。


「後は一体だけだ!」

 龍野は飛翔し、大剣を消してマシンガンを召喚した。

「まずはこいつだ!」

 ロケットグレネードを発射し、装甲の弱体化を狙う。鈍重な機体だったために、簡単に命中した。

「さあ、メインディッシュだ!」

 マシンガンの狙いを定め、引き金を絞るように引く。再び、ドドッ、ドドッという音が繰り返し響いた。

「…………」

 だが、黄金のサイボーグは全く意に介さず、龍野に接近してきた。

「何のつもりだ……?」

『龍野君、障壁に全ての魔力を割きなさい!』

 突如、ヴァイスからの指示が飛んだ。

 龍野はマシンガンを消してから、障壁を展開。魔力全開で防御態勢を整える。

「そこのロボット達、動くな!」

 突如、声が響いた。

 龍野が視線だけで確認すると、拳銃を構えた制服の警官が、固まりながらリボルバーを向けていた。

「ただちに停止し、投降しなさい!」

(おいおい……って、そうか。この人たちは、このサイボーグについて知らないんだった)

 龍野は内心で嘆息しながら、拡声機能をオンにして警官に呼びかけた。

「逃げてください! この黄金色のロボットは私が止めます!」

「そうはいかない! 一般市民の安全がかかっているんだ!」

「お願いです、俺……私の話を、聞いてください!」

「ダメだ! 繰り返す、二体のロボット達よ、ただちに停止し――」

 龍野は警官の呼びかけに紛れて、妙な駆動音を聞いた。

 そして、肩部、胸部、脛部の装甲が下に開いたのを確認した。

「お願いです、逃げてください!」

 龍野の呼びかけは、しかし警官たちには届いていなかった。

 そして、必死になっている龍野を嘲笑うかのように、黄金のサイボーグは龍野と警官たちの方向を向き――


 六門のガトリングガンが、火を噴き始めた。


「クソッ……!」

 障壁を展開していた龍野は、何とか砲火の嵐に耐えていた。


 だが……警官たちは、一瞬にしてチリ一つ残さず消え去った。


「皆さん……?」

 状況把握に時間がかかった龍野は、呼びかけていた。

「クソ……クソ野郎がぁああああああッ!」

 龍野は砲火の嵐が止むまで、微動だにせず制止していた。


 そして、砲火の嵐が止んだ。

「よくも好き放題してくれたなテメエ……!」

 龍野は大剣を召喚し、即座にビームを放つ。

 既に熱で硬度を喪失した装甲など、何の障害にもならなかった。

「トドメだ!」

 龍野は魔力を瞬間的に噴射し、5m程の高度を得る。


 そして、大上段から大剣を振り下ろし――黄金のサイボーグを、両断した。


 両断された黄金のサイボーグは、それぞれが爆発四散した。

「はあっ、はあっ……」

 龍野は息を整え、ヴァイスに念話した。

『終わったぜ、ヴァイス』

『ええ。けれど、厄介な事が発生したわ。行きがけに通り過ぎたドームがあるでしょう?』

『ああ、あるな。それがどうかしたのか?』

 ヴァイスはうんざりした口調で、連絡を続けた。


『襲撃されているわ。今貴方が撃破したものと同じ、機体にね』


『了解!』

 龍野はすぐさま大剣を消滅させ、マシンガンを召喚。

 そして、構えてから飛翔した。

『今から急行するぜ!』



現在の龍野の撃破スコア……8体(8,000点)


騎士突撃槍銃アサルト・マシンガンの残弾(途中経過)


      マシンガン……102 + 200×4 発


      グレネード…… 1 + 3×4 発

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