第2話救出作戦 

 ツキノワグマに促されたイノシシは泣きながら、恋豚のピンチについて語った。

「それは大変だ。今すぐトラックを追いかけて豚さんを助けよう」

「でも街に出たらおれはともかく、クマさんなんてすぐ撃ち殺されちゃうよ。」

「大丈夫、そういうときのためにこれを用意してある」

 そういうと、得意げな面持ちで、クマはパンダの着ぐるみを耳の穴から

引っ張り出してすばやく身にまとった。

「余計目立つんじゃ・・・。」とイノシシはあきれたが、

ここでごねたらクマが気分を害して協力してくれなくなるかもしれない。

「見ず知らずのぼくに親切にしてくれてありがとう。」

「さ、行くぞ」というと、クマはイノシシを耳の穴に押し込んで

駆け足で山を下りて行った。

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