冒険者VS邪龍神教 1

冒険者達が町の外で戦闘態勢に入っている。その向かいには、邪龍神教の信徒達が戦闘態勢に入っている。今にも戦いが始まる、そんな緊張状態が続いている。

そして、


「「突撃!!」」


両者のリーダー格らしき人がほぼ同じタイミングに声を出した。それが引き金となり、冒険者達と邪龍神教の信徒の戦いの幕が開けた。



「突撃」という声が掛ってから他の冒険者たちと共に俺とリアラも動き始めた。

俺は創造スキルで剣を作れるため前線に。リアラは魔法以外まともに扱うことが出来ないので魔法でサポートの前線にはいない。

出来れば、邪龍神教相手でも殺したくはない。なのでできる限り気絶させることにする。俺の目的はリアラを守ることであって邪龍神教の信徒を殺すことではない。殺す時はやむを得ない時のみだ。


「創造!!」


消費魔力は35。今回は殺すために剣を作るのではないため、剣の刃を潰しておく。そして、より丈夫さを強化する。


「全ては邪竜デスラ様の復活のため!」


そう言って、俺に向かって邪龍神教の信徒が持っている槍で攻撃してくる。


「…!高速思考!!」


不意をついての攻撃だったので、咄嗟に高速思考を使った。最近自分のステータスを見ていなかったが、確かレベルは2だったから最低でも四秒以内なら消費魔力は0だ。


「五秒で決める!」


高速思考を使っても脳の回転を速くして集中力を上げるだけだから、自分の体が速くなった訳では無い。相手の動きが遅く見えるが自分自身の体もなんだか重い気がする。

相手の攻撃を弾く—一秒。

そのまま相手の体勢を崩す—二秒。

そして、体勢が崩れた相手に接近—三秒。

そのまま腹を刃を潰した剣で腹を切る—これで四秒!

相手に剣が当たった瞬間に高速思考を解除する。


「グハッ!!」


ドスッという音がしてそのまま邪龍神教の信徒は倒れる。切ったと言っても刀で言う峰打ちだからショック死さえしなければ死んではいないと思うが。


「それにしても、高速思考って思ったより便利だな。」


時間によっては消費魔力がないしな。使った後は少し頭がクラクラするけど。

そして、周りでは他の冒険者達が邪龍神教の信徒達と戦っている。俺とは違って容赦なく殺しているが…。

慈悲はないのか慈悲は。


「さて、俺も行きますか!」


たとえ、悪い事をしていても殺してしまっては意味が無い。俺は許せない人間以外は殺さない主義だ。だが、決して今までしてきたことを許すなんてことはしない。なにせ、俺は正義の味方なんてものじゃないのだから。


「ハッ!!」

「ガバッ!!」


戦場のど真ん中に向かう途中に来る邪龍神教の信徒を剣で切って気絶させながら向かう。

この戦いを終わらせるにはこの邪龍神教をまとめているリーダー格の人を倒した方が早い。

周りの冒険者達の反応によっては殺してしまわなければならなくなるかもしれないが。


俺は、次々と来る邪龍神教の信徒の攻撃を避けては切って気絶させるを繰り返しながらリーダー格の人がいるであろう戦場の中心に向かっていった。

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