冒険者登録
「お待たせしました。では、こちらの紙にそれぞれお二人の名前と性別、今の年齢をお書きください」
「わかりました」
名前と性別は書けるのだが、年齢はステータスに表示されていなかったのでこの体の年齢がわからない。
とりあえず向こうの俺の年齢である17歳でいいか。
「書けました」
「私も書けました」
「わかりました。えーと、リア サクリドラス様とシロウ サクラギ様で年齢はリア様が16歳で、シロウ様は17で合っていますか?」
「はい、両方合っています」
初めてリアラの年齢を知ったが、俺の一つ下か。
今の体の場合はわからないが。
「では、性別は……え!?」
「ど、どうかしました?」
受付の人は俺の書いた紙を見て何故か驚いていた。
何かおかしな所でもあったのか?名前と年齢、性別だけだから間違えることはないと思うが……。
いや、ちょっと待て。前に似たようなことがあったような……。
「シロウ様は男だったのですか!?」
「やっぱりそう来たか!」
今までに数回間違えられ、更には嬢ちゃんとまで呼ばれる始末だ。
なんと言うか、もう慣れてしまった。慣れって恐ろしいな。
「シロウさんはこう見えても男だそうですよ。私も初めはわかりませんでしたから」
「そ、そうなんですか」
どうやら、リアラが俺の性別についての話を治めてくれたようだ。
それより、ギルド登録が名前と性別、年齢だけ書いて終わりということはないだろう。
次は何をすればいいんだ?
「では、最後にこの水晶玉に触れて下さい。そうすれば、今のステータスが出てきます。そのステータスによって職業を決めてもらいます」
「職業って何があるんですか——」
「ステータスがわかるまでは秘密です」
職業って何があるかを聞いただけなのに即答で返されたんだが……。
まぁ、とりあえず触ってみるか。
「じゃあ、俺から行っていい?」
「私は別に後でいいのでお先にどうぞ」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
そう言って、俺は水晶玉に触った。
「ふむふむ、属性は剣と無ですか。二つ持ちとは珍しいですね。そして、スキルは生まれつき三つ持ちですか。これもかなり珍しいですね。スキル名は、高速思考と……」
生まれつきでスキル三つ持ちは珍しいのか。普通は 一つか二つくらいなのか?
そして、急に黙ったのだがどうかしたのだろうか。
「……ぷっ、不運ですか。これはこれでまた珍しいですね、クスクス」
笑われた!不運持ってるだけで笑われた!!これも不運のせいか。やっぱり不運は厄介だ!
まったく、心配して損した気分だ。
「どうせ俺は不安ですよ……」
「あ、失礼しました!」
「い、いえ大丈夫ですから……ハハッ……」
「そ、そうですか。では、もう一つのスキルは……ッ!?」
受付の人の精神的攻撃でかなり落ち込んでいる俺に謝って改めて俺のステータスを確認すると急に信じられないものを見た時のような表情をする。
一体どうしたのだろうか。
「そ、創造スキル……」
受付の人がそう言った瞬間、今まであった騒がしさが嘘のように一瞬にしてなくなり、他の冒険者であろう人達の目線が俺に向く。
「そ、創造スキルがどうかしたんですか?」
「シロウ様……もしかして知らないのですか?」
「知らないって、何がですか?」
「……知らないのなら教えてあげましょう……
どうやら、俺の創造スキルは不運やこの容姿よりも厄介なスキルだったのかもしれない。
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