レジェスのギルド


「まずは、誰かから場所を聞かないとな」

「そうですね。場所がわからなければ探そうとしても探せませんし」


 俺らがいるこのレジェスの町は思った以上に大きい町だ。あてもなく探そうとすれば、かなりの時間が掛かってしまう。


「丁度いい所にこの町の住民らしき人がいるぞ」

「まずは、あの人に聞いてみましょうか」

「そうだな。すみませーん!」


 俺が住民らしき人に呼び掛けるとこちらに気付いたようで声を掛けてきた。


「どうしたんだ?」

「いきなりすみません。ギルドの場所を知りません

か?」

「ギルドか。それならここの道を真っ直ぐ行って、二つ目の角を右折して真っ直ぐの場所にあるぞ」

「親切にどうもありがとうございます」


 お礼を言って、早速俺達は教えてもらった道通りに進んでギルドに向かった。


「よし、無事に到着。思ったより近かったな」

「そうですね。遠すぎて一日以上歩くなんてことがなくてよかったですね」

「流石にそれは言い過ぎじゃないか?」


 幸運値が1の俺のことだ。リアラが言った事がいつか本当に起こりそうで怖い。

 自分の心配をしている内にいつの間にか目的のギルドに着いたようだ。


「早速入ってみるか」


 俺達はギルドのドラを開けて中に入って行った。


「おー!」


 俺がギルドに入って驚いたことは、何よりも人が多いことだ。俺のイメージではもっと皆クエストに出掛けていると思っていたんだが……。


「シロウさん、あそこで冒険者の登録ができるそうですよ!」


 リアラは沢山あるカウンターの内の新規冒険者登録、と書かれたカウンターを指さして言った。

 今気付いた事なんだが、異世界の言葉が読める様になっている。これもこの厄介なスキルと容姿と同じ女神様のおまけか何かか?


「とりあえず、早く冒険者の登録をしに行くか」


 二つほどやけに混んでいるカウンターがあるが、どうせカウンターの受付の人が可愛い人、或いは巨乳の女性だから混んでいるのだろう。

 さっさと済ませたいので一番空いている、というかほぼ誰もいないカウンターに向かう。


「すみません」

「は、はい!何でしょうか?」


 俺が声を掛けた瞬間にかなり驚いていたが、そんなにこのカウンターに来た人が珍しいのか?


「冒険者の登録がしたいのですが」

「はい!わかりました!しばらくお待ち下さい」


 何だかとても嬉しそうな顔をしていたがそんなに誰も来なかったのか?そうだとしたら可哀想過ぎだろ!

 ギルドの冒険者達の受付の人への扱いに少し怒りを感じながら俺達は、受付の人が来るまでしばらく待つことにした。

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